インドで医者をやっていたDr.MaMo。スパイスや薬品をつかって体の内部から病気を治すというスパイス治療で人気を博していた。

しかし、ある日彼に悲劇が起こる。西の大陸から輸入されたかなり珍しいスパイスを試しになめてみた。おいしかった。おいしいカレーを作れそうだと奇声を上げるくらいだった。が、その後の昼食・夕食を食べてもおいしくない。というかまずい。そう、さっきのスパイスは味覚を狂わせてしまうスパイスだったのだ。しかも一生。(というか実は塗り薬用のスパイスで食べちゃ駄目だったのだ)
こうして、Dr.MaMoはカレーしかおいしいと感じられなくない病にかかってしまったのだった。

このままではお得意のスパイス治療もままならないと考えたDr.MaMoはさまざまな文献をあさる。そうして、とある魔女村の魔女なら治せるという事実を知る。しかし、その魔女村はすでに滅び、生き残りがいるかどうかもわからない。それでもDr.MaMoは海に出ようと決心する。すべてはスパイスで世界を病気のない幸せな世界にするために。



シブヤ国コマバ村に生まれたみーくん。両親は商人でココナッツを売り買いして生計を立てていた。
そんなある日、両親と一緒に乗り合わせた輸送船で事件は起きた。赤海賊に襲われたのだ。みるみるうちにココナッツは奪われ、乗組員も殺されていく。みーくんと両親は戦々恐々しながらその状況を見守っていた。
次々と海賊によって人が殺されていく輸送船。そこに一隻に小さな船が通りかかる。黒地に半ドクロの海賊マーク。そう、それはDr.MaMoの海賊船だった。彼は海賊となり、魔女の情報を集めと、おいしいカレーのレシピを集めていたのだった。
Dr.MaMoから多量の粉が撒かれる。あわてて逃げていく赤海賊。こうして、みーくん一家を含め輸送船は助かったのだった。


みーくん「あ、あの、さっきの粉はいったい何なんですか?」
Dr.MaMo「ア、アレデスカ?アレハ人ヲカナヅチニスルスパイスネ」


どうやら、カナヅチになるのを恐れた海賊たちはそそくさと退散したらしかった。


Dr.MaMo「スパイスハ人ヲ幸セニスルタメノモノネ。オ金ナンテカンケーネ」


高価なスパイスを惜しげもなく使ったDr.MaMo。それは、「食材は人を幸せにするためにある、料理に使うだけが能じゃない」という彼の信念の表れでもあった。

そして、みーくんも決意する。


みーくん「お父さん…」


こうして、みーくんとDr.のふたりきりの海賊団『ホラ吹き海賊団』が誕生したのだった。「食べ物で世界を幸せにする」という想いをともにして。。。

時は大食漢時代。それは、人々が宝石や名画以上においしい料理に何より価値を見出していた、そんな時代だった。
人々は、まだ見ぬ食材とレシピを求め、海へ、新大陸へ、秘境へと歩みを進めていた。

そこで派生した3種の海賊。


赤海賊:主に取引を目的とし、美味・珍味をハンティングしてきては、王族・貴族たちに高値で売り付ける銭第一集団。
白海賊:主に調理を目的とし、自分たちで珍しい食材・おいしいレシピを見つけては船内や、立ち寄った街で料理をふるまう陽気な集団。
黒海賊:主に強奪を目的とし、他の2種の海賊が手に入れた食材・レシピを奪うことに快楽を覚えるハイエナ集団。


そんな海賊に人々は憧れ、次々と海に出ていくのであった。