入院中は4人部屋でした。
迎えはサラリーマンの部長さんクラスのおじさん。

斜め左迎えは、俺ほどではないけど面会の多い「社長さん」と呼ばれるおじさん。

そして自分の左隣は、もう定年もしたであろう老人でした。

普段は、ほとんどカーテンで仕切られているため、顔を合わすことはなかったけど…

隣の老人に毎朝、毎晩、奥様が見舞いにきてました。
昔ながらの「俺についてこい!」的な主人で、奥さんがきても「お茶!」とか「着替えたい!」とか奥さんに言うんです。奥さんは「はいはい。」とか言って、黙々とこなすんだけど。

奥さんがきても特別会話をするわけでもなく主人はテレビを見てる…。
(奥さんわざわざ来てるんだから「なんか話してやれよ!」って突っ込みたくなっちゃうもん俺。余計なお世話なんだけど。)



すると沈黙を破るかのように奥さんが…

「お父さん、そろそろ帰るね。明日9時にくるからね。」って帰っていくんです。

すると次の日の朝やってきて
「お父さん、今日の夜また来るからね…」って帰っていく。


でもね。


でもねでもね。


そんな無口な主人も、帰り間際の奥さんに、毎日感謝の気持ちを伝えるんです。


「お母さん


いつも来てくれて


ありがとう」 って。



奥さんは、何言ってるの~って笑って帰るのだけど。

なんか心暖まるワンシーンです。


なんか夫婦の絆みたいなもんを感じて。


結婚して家族になるって、その人のために、なんでもしたいって気持ちが基本だから、この老夫婦の会話は、自分も将来、こんな優しい会話ができればいいな~って、そんな相手と結婚したいな~って羨ましくなってしまった。


俺が退院するときも、その奥さんは、チョコンと丸い面談用の椅子に座っていました。

「主人は?」って聞かれて、「レントゲンの検査に行ってますよ」って言ったら、ニコって笑って、ありがとうございますって、お辞儀をされました。

その老人は暫く入院生活は続くようで、その後のことは知る義もないけど。。。



早く良くなるといいなぁ。