
最近、「人と比べなくていい」という言葉をよく聞きます。
この言葉、半分はそうとも言えるし、半分はそうとも言えないと思うんです。
例えば、自分が船に乗って海に出たとします。
最初は陸地が見えていて、自分がどれぐらい沖に出たか、どの方向に向かっているかがわかると思います。
さらに沖に向かうとやがて陸地も見えなくなってきます。360度見渡す限り海しか見えません。そうすると自分は今どこにいるのか、どこに向かっているのかわからなくなってしまいます。
そう、陸地という比べるものがあるから、自分の位置や向かっている方向がしっかりわかるんです。
だから、人と比べるのは悪いことではないと思うんです。比べることで、自分という人間を知ることができます。
ただ、人と比べた時に、そこで優劣を決める必要はありません。
なぜなら「犬と猫どっちがかわいいか?」という質問と同じで、答えが決められないからです。
人と自分を比べて「どちらが優れているか?」という事にあまり意味はなくて、そこにあるのは「違う」という事実だけなんです。
背が高い人と低い人、どちらが優れているか?
男と女、どちらが優れているか?
白い肌と黒い肌、どちらが優れているか?
これらの問いに、無理やり答えを出そうと思えば出せるけれど、その答えに果たしてどれだけの価値があるんでしょうか。
「違う」という事実に対して、優劣を決めるのではなく、その違いを受け入れる。
自分とは違う、でもそれを否定する必要は無いんです。
だって犬と猫は両方かわいいから。
人と比べたっていい。人と比べることで、自分の立ち位置がわかるから。
そしてそこで優劣を決めるのではなく、自分との違いを受け入れられればいいんです。
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