見舞われる | kpoint_newsのブログ

見舞われる

 義母が六月から延び延びになっていた入院を先月末にした。今度は長期になると聞いていたのだが、来週退院との情報があり一度は見舞いに行かねばと、本日女房に同行し病室を訪ねることにした。
 
 三連休とかで、四人部屋のうち二人は外泊許可を得て不在、義母と向かいのベッドにいる婆さんが部屋で退屈な時間を過ごしていた。なんだかんだとの親娘の話を生返事で相づちを打ちながらウトウトする。昨日の寝不足がたたり、目を閉じると寝てしまいそうだ。束の間心地よい別の世界が見え始めたころ、「ハリスの旋風」のオープニングのようなドタバタが廊下から聞こえてきた。どうやら向かいの婆さんの見舞客のようだ。夫婦とその子供が二人、口々に元気かと問う。元気なわけがないので返事は聞こえない。しばらく沈黙が続いた刹那、「お婆ちゃん、また来るね」「あんたたち、お婆ちゃんにまたくるよって挨拶なさい」との嫁さんだが実娘だが知らないけれど信じられない発言が、小生の頭を覚醒させてくれた。時間を計っていたわけではないので正確なことはいえない。しかし入室から一分以内の顛末であったように思う。
 
 彼らが何度目の訪問で、なぜ土曜の午後に病室を訪れようとしたかは分からない。
 一:旅行に出かけるついでに病院を訪れたが、飛行機の搭乗時間が迫っているので滞在時間が限られている。
 二:長兄長姉に「あんたお母さんの所へたまには顔を出しなさい」と叱られ、顔を出しにきただけ。
 三:旦那の都合上、一家が揃って外出できるのは本日だけで、朝から分刻みのスケジュールで走り回っている。
 色々な理由もあるだろう。しかしながら小生この世に生を受けて五十数年、あれほどまでに短くも儚いお見舞いを垣間見たのは初めてである。お別れを告げカーテンを閉め部屋から一家が去ったのはそれから約一分後、Mなんたら星雲のお方より断然早いシュワッチである。
 
 日本人の病室お見舞い平均時間とその経済効果等が、N村総研から発表されたかどうかは記憶にない。だが大凡は二十分から四十分ではなかろうかと、kpoint総研では睨んでいる。
 
 旋風のように訪れ、疾風の如く去る。
 
 滞在時間一分強。おそらくあの家族が残したこの記録は、今まではもちろんこれからも世界中のどんな国であろうとも、破られることはないだろう。