贅を尽くす | kpoint_newsのブログ

贅を尽くす

 久々にカレーの仕込みをする。今回はこくまろカレーの辛口四分の三を使って、鍋一杯に作ってみた。肉は百グラム98円のシチュー用の豚角切り二百五十グラム、玉葱中玉二個、人参三本を炒め、とろ火で四十分。ルーを溶かし込んで更に六十分。あとは馬鈴薯を入れて煮込めば出来上がりである。お玉でかき混ぜながら味見をしたとき、もう一人の自分がある計画をたらしこんだ。

 この二年、あの問題には関係なく牛肉を避け、比較的安価な豚肉を選んではカレーをこさえていた。しかもお玉ですくうと一回では肉が拾えないほどの汁と野菜中心のカレーを食してきた。掬っても掬っても肉満載のカレー。心の奥でそんな願望があったことは否定はしない。
 
 そんな不埒な考えに付け込まれたのだろうか「冷蔵庫にある豚の方肉切り落としをカレーにぶち込んでしまえ!」彼はこう持ち掛けたのだ。「あれは明日の昼食で作る焼きそば用であり、今回の案件に際しては構想外であるから利用できない」と頑なに拒否をするも、既に体を御せられてしまった手が冷蔵庫チルド室の豚肉に手を伸ばしてしまった。
 素早くラップを剥がし、煮えたぎる鍋に三百グラムを一気に投入、あもすもない素早さで構想外のカレーに変貌した。
 
 ご飯を盛りつけ、カレーをよそう。しっかりと掬われた肉は、はみ出んばかりにお玉を埋め尽くしている。
 
 置かれた立場を顧みずなんと贅沢なカレーであることか。魔が差したとしか言い訳のしようがない。