注射 | kpoint_newsのブログ

注射

 老若男女問わず注射を打たれるのは嫌だと思うのだが、世の中には「好きだよ」とおっしゃる方もいる。繁華街で洋風酒場を経営している某さんは、定期的に献血所を訪れてその甘美な時を過ごすのが好きだというのだ。血を抜かれた後のけだるい脱力感と、抜かれた分新しい血を作り出そうとする活力が四肢に五臓六腑にみなぎるのが快感だという。
 献血する行為は尊いと思うが、長時間にわたり針が血管に刺さり続けるのを、想像しただけでも目眩がする。

 お恥ずかしい話だが小学生の頃のことだ。日本脳炎の予防接種が学校で行われたのだが、列の途中で逐電した覚えがある。以来、注射に関してはそのことごとくを拒否する姿勢で臨むことになる。
 
 昨日のことだ。持病の治療薬をもらいに医院に行ったら血液検査のための採血をされてしまった。突然の暴挙に逃げ道はなく断腸の思いで応じるも、カートリッジを並べられ「今日は三本採ります」と言われた瞬間、呼吸が乱れ胸が高鳴るのを覚えた。さらに「痛いですよ。我慢してくださいね」の物言いで緊張はピークに達しようとした。余分なことを言うじゃない。痛いとわかっていることに、追い打ちをかけてどうするつもりだ。このような言動こそがドクターハラスメントではないのか。

 這々の体で帰宅し一夜明け注射跡に貼られた絆創膏をはがしてみた。本来傷口に合わせてガーゼ部分をあてがうのが正しい処置の仕方だ思うのだが、針穴から大きく的をはずれ接着面の中程までずれている。これでは世紀の発明であるバンドエイドを採用した意味がない。FFの車の後輪にタイヤチェーンを巻いているようなものだ。
 
 今回の事態の責任は、注射における一連の行為に目をそらし、最後の詰めを見過ごした自分にある。いままで恐怖のあまり針先が自分の体に刺さるのを、見ようともしなかったことを大いに反省し、今後は医療事故を未然に防ぐ意味でも、その目で確認できることは極力しようと決意する。
 
 尿酸値が下がっているといいのですが。