木を見て森を見ず | kpoint_newsのブログ

木を見て森を見ず

 近所の食品スーパーが行うタイムサービスは午前と午後の二回。午前中は開店から午後一時までで、午後からのタイムサービスは夏場なら午後四時から七時、冬場になると午後三時からに切り替わる。
 して、十月第二週より冬時間が始まったわけだ。店長が惚けているのかパートの小母さんが弛んでいるのかは知らないが、午後のタイムサービス開始で店内が混雑しているのに十列余はある精算機にランプがついているのは僅かに四列。一列あたり各々約八組ほどが順番を待っていて、皺だらけの顔をより険しく深く刻みながらレジ小母さんの一挙手一投足にチェックを入れ、無言の圧力たる念を送り続けている。
 得も言われぬ緊張の中、遂に場を揺るがす大きな変化があった。空きであった精算機にパートの小母さんが悪びれることもなく入り小銭その他を準備、時給七百円の労働活動を仕始めたのである。
 ランプが点くやいなや小生が並んでいる列から素早く五組、開始したレジを内とするなら大外である四列向こうのレジからも脱兎のように向かってくるのも約二組で瞬く間に七組の列をなしてしまっている。

 我が列ではあと三番目から六番目の小母さんらが参入し、それなりのナイスポジションを得たらしく最前までの無愛想な顔に笑みもこぼれている。
 しかしながら、彼女らの行動は果たして正解なのか。彼女らが見放した小生が並ぶ列では特売の玉子と三本百円の胡瓜が精算を終えようとしており、次の客においては特売の玉子のみが買い物カゴに入っている状況である。あまつさえ新規に開いた列で一番をとった婆さんの買い物カゴには溢れかえらんばかりに安売りの品々を満載している。
 はたして小生の精算は終わり、首だけ斜め後方に傾げ隣のレジを垣間見る。未だ一番目の婆さんの精算終わらず、次に待つ親子連れの母親が放った舌打ちが空しく響いいた。
 
 「人を見てカゴを見ず」
 
"どの列に並ぶかは、その人数よりも商品総数で判断すべし"