漢方薬では生薬を毒性の軽減、性質の改変、効果の増強などの目的に加工・調整することがあります。代表的なものにキンポウゲ科のトリカブトがあります。皆さんはトリカブトときてまず何を思いうかべますか?たぶん毒薬!と思うでしょう。まさにそのとおりで、トリカブトの子根の「附子」という生薬はそのままで使うと毒性が強く吐き気やしびれなどが起こります。この「附子」を加熱処理して毒性を軽減したものが「炮附子」というのです。また、生薬の効果を増強する例としてウコギ科のオタネニンジンがあります。オタネニンジンの根は「白参」ですが、これを蒸してして乾燥させたものが「紅参」といいます。このように漢方薬では生薬の持っている特徴を考えて加工したりしているのです。
瞑眩(めんげん)とは漢方を服用した時に現れる現状で、体の治ろうとする反応のなかで、一時的にめまいや鼻血などの反応が出ることで、よく副作用と勘違いされます。確かに漢方薬にも副作用がありますが、これらを区別するには、漢方薬を服用した時に、めまいや鼻血などの不快な症状がでた後、風邪などがすっきり治り気分がよくなった時は瞑眩(めんげん)であると考えます。一方、いくら飲んでも症状が治らないときは、その漢方薬が適していないと考えます。漢方の副作用は比較的少ないですが、ゼロとは言えません。漢方薬の副作用についてはまた次の機会にお話しましょう。ただ、すべての方に瞑眩(めんげん)がでるわけではありません。漢方薬はあくまで人間が持っている治そうという力を最大限に発揮できるように手助けするのです。