ニューヨーク・マンハッタンのロックフェラーセンターにある美容室「VIJIN」。全米から顧客が駆けつける人気サロンのオーナー、南田稔さんは、大阪出身。言葉もわからないまま20代で渡米、アメリカンドリームを実現させた。今年1月にはニューヨーク店に続き、兵庫県西宮市内に店舗をオープン。若手を育成しながら、ライフワークのカンボジアでのボランティア活動も続けている。

 閑静な住宅街・夙川にある「VIJIN」。シックな店内には、近隣のおしゃれなマダムや、ニューヨーク店のなじみ客が、「自分らしい」ヘアスタイルを求めてやってくる。「今、ニューヨークでいちばん人気のミュージカルは何?」と顧客からの質問も飛ぶ中、若いスタッフたちはカットに、パーマにと、忙しく手を動かす。

 そんな若手スタッフを見守る南田さん。大阪・堺で美容師を志していたが、26歳のとき、将来のことを考え、単身でニューヨークの一流店に飛び込んだ。「英語は全くわからず、泳げない人間がプールに突っ込まれた感じ」で無我夢中で働くうちに、周囲も一目置くようになり、まもなくティファニー本店近くに最初の店を持つ。6年後にはロックフェラーセンターに移転。顧客の8割はアメリカ人で、「人種ではなく、プロとして仕事ができるかどうかで判断する」という厳しいニューヨーカー相手に腕を磨き、ロックフェラー一族をはじめ、セレブリティーもやってくる人気サロンに成長した。

 「ぼくにはアメリカに受け皿があったから、ここまでやってこれた。今度はぼくが若い人たちの受け皿になりたい」。南田さんの店には、世界での活躍を目指す若いスタッフが集まってくる。

 南田さんは10年前から、カンボジアで、現地の子供らの髪をカットするボランティア活動も続けている。今年は9月に、夙川店のスタッフも含め、15人前後で訪れる予定だ。南田さんはカンボジアを訪れた最初の年、炎天下、3日間で100人近くのカットをこなしたにもかかわらず、不思議と爽快(そうかい)感に包まれた。同時に、駆け出しのころ経営者から言われた「美容師は社会に貢献できるすばらしい仕事だから、最高の技術を身につけなさい」という言葉の意味を実感したという。「たかが美容師、されど美容師、になりたい」。将来的には、カンボジアに美容学校を作る構想も。南田さんの夢は大きく広がっている。(岸本佳子)

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