普天間基地移設問題とNPT再検討会議に思うこと | 「コジブロ」コナミ小島プロダクション公式ウェブログPowered by Ameba

普天間基地移設問題とNPT再検討会議に思うこと

こんばんは、ライター玉利です。

『ピースウォーカー』発売からそろそろ半月。

GW中にずっとプレイしてくれた方以外も、そろそろエンディングにたどり着きましたでしょうか?

これまで小島監督からもいろいろな場で語ってきましたが、『PW』のテーマは“PEACE”。

シリーズの思想たる“反戦反核”からさらに一歩踏み込んで、「核抑止による仮初めの平和」というものを描いています。

物語の舞台となるのは冷戦下の中米ですが、抑止論というのは決して「終わった議論」ではありません。

先日も普天間基地の移設問題をめぐり、鳩山首相が「沖縄に駐留している海兵隊が抑止力として必要と思っていなかった(が、最近勉強して考えが変わった)」といった旨の発言を行い、ニュースでも話題になりました。

ゲーム中でミラーが語る「核の傘」の問題も、何も解決しておらず、今の日本に生きる我々に直結する問題です(むしろ、北朝鮮の動向を考えると、問題は当時よりホットになっています)。

$「コジブロ」コナミ小島プロダクション公式ウェブログPowered by Ameba-核の傘

オバマ大統領によるアメリカの政策転換は核廃絶に向けた大きな一歩ですが、アメリカは核抑止を捨てたわけではありません。

現在開催中のNPT(核拡散防止条約)再検討会議でも、日本原水爆被害者団体協議会を代表して長崎で被爆した谷口氏らが核廃絶を訴える一方、イランが米国の政策を激しく批判し、合意形成が危ぶまれています。

もちろん『PW』はこれらの問題に対して、単純な解決策を提示するものではありません。

冷戦時代から続く結論のでない議論に、一本のゲームが簡単に答えを与えられるわけがありません(仮にそんな作品があれば、どこかに大きな欺瞞があると疑ってかかるべきです)。

しかし、結論が出ないからといって議論をやめるわけにはいかないのです。

一人でも多くの人が真実を学び、自分で考え、小さな議論を重ねていくしかありません。

大切なのは、一つの報道や一つの意見を鵜呑みにせず、様々な立場から真実を知ろうとすること。

そして他人の考えに安易に迎合せず、情報を自ら吟味し、考えることだと思います。

『PW』がそうした情報を知るきっかけ、考えるきっかけとなれば幸いです。

皆さんはプレイしてみていかがでしたでしょうか?

今回知ったこと、考えたことなどあれば、教えてもらえると嬉しいです。


ちなみに抑止力と言えばコールドマンはどうでしたか?

次々と出てくる身勝手な理論…彼は自分に嘘をつきすぎておかしくなってしまった人なのではないかと思います。

あと、麦人さんの演技が最高!

ネタバレなんで書けませんが、とあるシーンの音声を初めて聴いたとき、思わず爆笑してしまいました。

テーマも大切ですが、堅苦しいだけでは伝わりません。こういうユーモアも大事ですね。