天国を分かつ時 | 「コジブロ」コナミ小島プロダクション公式ウェブログPowered by Ameba

天国を分かつ時

キャスティングの回でも触れたように、音が持っている力は馬鹿にはならない。

元来、目で見る映像媒体ではどちらかというと音を軽視しがちだ。

しかし、それは大きな間違いである。


映画でもゲームでも、作品の出来如何は、むしろ音によって決まると言ってもいい。


音は見えないモノや画面に映ってないモノまでを補完してくれる。絵では表現できないモノまで付加してくれる。


それくらい音が映像作品に占める割合は大きい。


ましてや音楽となると、作品が成功するかどうかは、まさにいい音楽と出逢えるかどうかにかかっている。


だからMGSでは人一倍、音楽にこだわってきた。


今回のテーマソングである『ヘブンズ・ディバイド(HEAVENS DIVIDE)』も本田君とのやり取りを含め、かなりの時間をかけて、慎重に制作をしてきた。


音楽がキマれば、アフレコ同様、作品の狙いのうち、八割は成功したのも同然~

いつもならこの段階でホッと一息つくところ。


しかし、今回は事情が違う。


PWは携帯機であるPSP。

あまり音を聴きながら遊ぶプラットフォームではない。


車内では音をオフにしてプレイしている人も多く見かける。

とはいえ、PWではこれまでのMGSと同じように、あるいはこれまで以上に音での補完をかなり行っている。

ハードの制約を、音を使う事でなんとかクリアしていたりするところもある。

またボーカロイドを始め、音での新しいチャレンジも行っている。


一般的に携帯機市場では挿入歌と言われるものは、タイアップやCMオンリーでしか使わないのが常である。

その敬遠しがちな挿入歌やテーマソングである『ヘブンズ・ディバイド』等を、PWではゲーム中にふんだんに使っている。


だからPWはヘッドフォンで遊んでほしい。

面倒だとは思うが、ヘッドフォンを装着して、PWの音を堪能してほしい。


『いつでも持ち運びができるMGS』というコンセプトで制作しているのが今回のPW~


その際に音を連れて行ってくれるかどうかが、僕に取っての『天国を分かつ時』になる。


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