地震のあった日 ②
この会社、定時は17時半なんですが、17時ちょっと過ぎにコンビニに食料や水を買いに行く人、
食事に行く人が出ました。
帰ることができないと確信したのでしょう。
中にはホテルを予約しに行く人もいましたが、既に手遅れだと確信してました。
みんな考えることは同じのはずですから、どれだけ早く行動することが大事なはずです。
なのに、17時過ぎてからなんて、遅すぎるに決まっています。
自分が帰るときに、この人たちに会いましたが、やはりどこもとれませんでした。
自分の住んでるとこは千葉なので、都内から帰れないことは明らかです。
ですので、地震があった時点で、彼女のマンションに行くことに決めてました。
歩いてどれくらいかかるかわかりませんが、1時間も歩けば着くような気がしてたので
いつ動くかわからない電車を待つより、進んだ方がいいだろうと思ったわけです。
定時と同時に
「お先に失礼しま~す」
と言うと、
「おつかれさまでした」
周囲が言うので、誰も心配はしてないようです。
部長なんかは
「気を付けて帰るんだよ」
そんなこと言う始末。
他の方々は、私がどこに住んでるか知らないでしょうけど、部長は知ってます。
帰れるわけねーだろ。
さて、そんなヤツは無視して、どうやって彼女のマンションに行くかです。
地図はプリントアウトしました。
荷物は必要最小限にして、買ってあったペットボトルの水が3分の1程度残っていたので、
これをバッグに入れました。
それと、朝の天気予報で、にわか雨の可能性があるというので、折りたたみ傘。
肝心の彼女とは連絡がとれず、メールだけは送信できてましたが、返事はありません。
それでも、進むのみです。
外に出ると、私は大半の人とは反対方向に進むことになりました。
急ぎ足の人も多く、思うように進めません。
そのとき思ったのは
「気の立ってるヤツもいるから、ケンカなんかに巻き込まれないようにしよう」
というものです。
ですので、人をよけるときは、オーバーな感じでよけました。
バスの様子を見たかったので、バス停も見ましたが、たくさんの人が並んでたので
すぐに諦めました。
マンションまでの行き方に自身がなかったので、乗れれば乗りたいと思ってたのですが、
地図を出して歩き続けました。
この日の午前中は面接で、ちょっと道に迷ったりしたんで、既にかなりの距離は歩いてました。
ですが、普段からランニングをしてるので、脚力には自信ありです。
自信がないのは、この革靴。
重いし、足の皮がむけたり、あたって痛み出さないかです。
この会社に来てから、足の甲が靴にあたり痛むので、バンドエイドを貼ってました。
最近は治ってきたからしてなかったんですけど、面接で、どのくらい歩くかわからないので
貼ってたので助かりました。
さて、ここからが勝負です。