KOZOSですがさすがに書籍にするのに開発環境がFreeBSDだけというのはさびしいので,FedoraとWindowsXPで動作確認した.以下,注意する点のメモ.

これでFreeBSD,GNU/Linux,Windowsのどれでも開発できることになりました.う~ん,すばらしい.可能ならばubuntuも(たぶん大丈夫だとは思うが)確認して,実績どりしておきたいなあ.

(共通)

・マイコンボード付属のCD-ROMに添付されているクロスコンパイラでコンパイルするには,ソースを何箇所か修正する必要あり.(アセンブラの.type指定を削除するのと,Makefile修正と,乗算命令を利用しないための構造体のサイズ調整と,リンカスクリプトでELF指定を削除する修正)
・マイコンボード付属のクロスコンパイラはCOFF形式の実行ファイルを吐くので,利用できない.まあCOFFをELFに変換すればいいしブートローダーの作成には使えるのだけど,ソースコード修正も必要になってしまうし,OSはELFでないとブートローダーがロードできないので,いっそのことbinutilsとgccをクロスビルドしたほうがよいと思うのでそうする.
・USBシリアルアダプタだとh8writeやFDTでのフラッシュ書き込みがうまくいかないときがある.本体に初めからシリアルコネクタが付属しているPCを使った方が確実.(これでけっこうハマッた)
・XMODEMでの転送で,開始前のNAK送信の周期が短いとエラーになりやすい.っていうか必ずエラーになってしまう(開始前のNAKが,エラー通知のNAKとして解釈されてしまうようだ.なんかへんなプロトコル).なので間隔をもっと開ける必要あり.またXMODEMでの転送時は,loadコマンドを実行したらモタモタしてないでさっさと開始するようにする(ファイル選択に時間がかからないよう注意).これもけっこうハマッた.

(Fedora特有)

・Fedora含む多くのLinuxディストリビューションでは,ホストgccが入っていない.なのでプログラミング環境を追加インストールする必要がある.(Fedoraだとシステムメニューからマウスで選択するだけで簡単にインストールできる.binutilsとgccをインストールする必要あり)
・GNU makeとかも無ければ追加インストールする.
・端末アプリにはminicomが標準で入っているので,そのまま利用できる.使いかたは,初めに minicom -s で起動してセットアップして,次からは minicom -o で起動する.フロー制御をOFFにする必要あり.ファイル転送の設定はいじる必要無し.Ctrl-A, zでヘルプ.ファイル転送はminicomでできる.

(Windows特有)

・マイコンボード付属のCD-ROMのcygwin環境を期待していたがクロスコンパイラがCOFF形式を出力するのでダメ.まあ*.mot作成するだけならできるのだけど,binutilsとgccを自前でビルドすることにする.
・ホストgccやmakeが必要だが,付属CD-ROMのcygwinをインストールするとgccとかmakeとかがひととおり入ってくれるのでこれを利用すると楽.ビルド方法はFreeBSDと同じだが,binutilsは ./configure に --disable-werrorが必要だった.
・h8writeはCD-ROMに付属しているのと,cygwinに入っているのと,CD-ROMに付属しているソースから自分でビルドするのと,インターネット上からソースを持ってきてビルドする,という4通りの方法がとれる.まあ,どれでもいい.
・h8writeが嫌ならFDTが使える.いちおう,これで書き込みして起動できることは確認できた.