今日も TV のトークショーに出演し、癌の少年を目の前に「タバコ会社の目的は彼を殺す事ではなく、できる限り長生きしてもらって製品を買ってもらうこと。一方嫌煙の運動家達は彼に死んでもらった方が都合がいいのだ」などと言いくるめ、禁煙活動の急先鋒に立つバーモント州選出の上院議員(ウィリアム・H・メイシー)を怒らせる。
この他、マイケル・クラーク・ダンカンなども出ていて、適材適所、知名度と新鮮みを適度に散らばせたバランスの良いキャスティングが光ります(今や超売れっ子のスティーブ・カレルも呼んだそうですが、スケジュールが合わずに出演ならずだそう。残念)。しかしとても驚ろかされたのは、ゲイ・フレンチ役のサシャ・バロン・コーエン。この人、HBO の「Da Ali G Show」で無知な田舎物のいんちきロシア人を演じてた英国人役者じゃないですか。ちょうど予告編が流れている 「Borat
」でのキャラクターと見比べて、同じ役者とはとても思えない…(←このトンでも予告編はこちら
)
多少、アメリカン・セントリックな笑いのネタもあります -- 例えばすべてのスターにはライバルが必要、という下りで出てくる「ダイアン ソイヤーに対するケイティー・クーリック」。ケイティー女史は TV 局 NBC の引き留め工作で20億円の年俸提示を断り CBS に移植した有名女性キャスターですが、彼女の名前が全世界的に通用するとは思えないわけで--
双子の子供に付けた名前、ウォーカーとテキサス・レンジャーはもちろんチャック・ノリスの"Walker, Texas Ranger
" への参照なわけですが、これも知らない人は知らないかも(こういう"文化"の差が、ハリウッドのコメディは外国で受けない理由なのかもしれません -- なのでポータビリティが高い暴力アクション映画が量産されるのかも)
小学生の DJ (ミッチェル・ムッソ)は、向かいの家が気になって仕方が無い。その家には気難しいことで有名な老人ネバークラッカー氏(スティーヴ・ブシェミ )が住んでおり、彼は長年敷地に舞い込んだ凧やボールを取りにくる子供達を追い返してきた。そんな中、DJ の両親は出張で家を空け、ベビーシッター(マギー・ギレンホール)が泊まりに来たある日、事件は起こる。
DJ の親友チャウダー(サム・ラーナー)が転がり込んだバスケット・ボールを取りに敷地に侵入。かんかんに起こったネバークラッカー氏は外へ飛び出してくるが、心臓発作を起こし倒れてしまう。しかし救急車が去った後、誰も居ないはずの家には明かりが灯り、煙突からは煙が立ち上っていた。ガールスカウトのクッキー売りでたまたま訪れたジェニー(スペンサー・ロック)と、チャウダー、そして DJ の三人組みは家の秘密を解き明かすために行動を共にするのだが…
91分の 3D アニメを演出するのは商用長編映画に初挑戦のギル・キーナン監督。しかし作品製作をドライブしてきたのはプロデューサとして名前が挙がっているスピルバーグとロバート・ゼメキスなんだとか。ゼメキスの前作「ポーラー・エクスプレス
」でも、彼は 3D アニメの技法的可能性を追求していましたが、今回もテクニカルにその延長線上にあるようで、モーション・キャプチャで芝居をつける手法にある種の連続性を強く感じます。
この作品、いま一つ米国での集客具合がよろしくないようですが、アニメーションの技巧は元より、脚本、演出、声の演技など、すべてが高水準でバランスしていて、自分個人的にはなかなか気に入っている作品だったりします。お金と予算の関係からなのか、大型 3D アニメの脚本はとかく予定調和的で安全圏に引きこもった保守的な作りが多いなか、発想が豊かでユニークな骨格に細部まで十分に練られて作りこまれた脚本は文句なしに素晴らしい出来。
また、声、と言えば、マギー・ギレンホールの無責任で表裏のはっきりしたティーン・エイジャーの演技がすばらしく、またキャスリーン・ターナーのドスの効いた演技も、なぜかエドワード・ノートンにも聞こえたスティーヴ・ブシェミなど皆さすがに巧い。あと「バス男
」や「恋人はゴースト
」のジョン・ヘダーもいつも通りの役柄で登場(←この2本、日本ではあまり売れなかった?)
自分が見たのは「REAL D」フォーマットの 3D 版で、使い捨て偏光サングラス代として150円ほど余計に入場料を取られました。この 3D 版、事前に流れる予告編から 3D になる力の入れよう(Dolby Digital のアイキャッチャーまで 3D 版)。冒頭の落ち葉のシーンで、あまりに強くかけすぎた立体感のためにガンガン頭痛が始まり「うわー、最後まで見られるかな?」と不安になりましたが、すぐに穏やかなエフェクトのかけ具合に落ち着き、終わって見れば3D 映像もいいもんだ、と思えた観劇になりました。
制作費75億の大型 3D アニメ、邦題はそのママ「モンスター・ハウス」となり、2007/正月第二弾の公開予定だそうです。
マイケル・マンは TV シリーズのエクゼクティブ・プロデューサで脚本も書いたりしているわけですが、あの当時を振り返ってあの当時の目線でカッコ良さを追求するのではなく、2006年の現時点でクールとは何か? と考察してみた結果、こうなったのかなぁ、とも思いました。某映画評論家からは「クール過ぎてクールではなくなりかけている」なんて辛らつな評をもらってましたが。
銃撃シーンや爆発シーンに、手垢のついた記号化したお約束の演出を拒むマン監督流のこだわりが見え、うんうん、と納得。原作 TV シリーズのファンはご立腹になるかもしれませんが、自分的には満足できた観劇になりました。← 80年代の郷愁を探すのならサンドラー&バリモアの「ウェディング・シンガー
」でもレンタルしたら、いいんではないかしらん?