洋ラン×おたべ小説 ⑤



洋ラン「…お前が…好きだ。」


長い沈黙が続く

何が起こったのか分からない顔をしているおたべ

いつもの落ち着きがどこかへ飛んでいってしまった


おたべ「…冗談、やろ?」

洋ラン「冗談なんか言わねえよ。」

おたべ「……。」


おたべはどうしていいか分からず、その場に立ち尽くす

その時、ハッと気がついた


おたべ「前田はええの?」

洋ラン「敦子には悪いけど…分かってくれるだろ、あいつなら。」

おたべ「…少し、考えさせて…。」


おたべは俯きながら、屋上を出て行った

唐突に言われて、悩んでいるようだ


洋ラン(やべぇ…失敗だったか…?)


洋ランは、振られて当然だと思った

ダメ元で告白したんだから、振られても当たり前だと確信していた

ただ、おたべを好きな気持に嘘はない、それが今の洋ランの気持ち

ーその後、おたべに避けられているかのように、今日1日おたべに合う事はなかった


洋ラン(完全に振られた…。)


まあ、当たり前の結果だと、洋ランは開き直っていた

急に告白して避けられるんなら、振られたのと同じだ

もじもじして黙るよりも、思いっきり打ち明けた方がまだいいと、開き直っていた

…どこかでおたべを待つ自分がいた

どうせ避けられるのに、おたべのことを待つ馬鹿な自分が…

さっきからずっと、部室の入り口を見つめている、そんな自分が弱く見えて嫌だった

自分を落ちつかせようと、屋上へ行って空気を吸う事にした


洋ラン(…何だ?)


屋上から声が聞こえるため、少し覗いてみたら…おたべがいた

洋ランはすぐにサッと隠れ、もう一度おたべをじっと見てみた

よく見ると、おたべは…泣いていた

フェンスにもたれかかり、その場にゆっくりと座りこんで泣いていた


洋ラン「おたべ…!!」


思わず洋ランは、おたべの元へ駆け寄って行った

おたべはびっくりして立ち上がり、涙をサッと素早く拭いた


おたべ「よ、洋ラン…?」

洋ラン「…あの時は、すまなかった…。」

おたべ「……。」

洋ラン「振っていいからさ…マジで、ごめん。」


その時、おたべが洋ランの頬にビンタをした

洋ランは驚き、自分の頬を抑える

おたべは、泣きながら怒鳴りつけるように喋りかける


おたべ「アホちゃうの…!?好きって言われて泣いてるんやない!洋ランが嫌いで泣いてるんやない!ただ…っ。」

洋ラン「た、ただ…?」

おたべ「…怖いだけや。」

洋ラン「は…?」

おたべ「うちも洋ランのことが好きなんやけど…もしもあの時の言葉が嘘やったら、怖くて…。」


洋ランはおたべの方を優しく掴み、おたべの目をじっと見る

俯いたままのおたべに向かって、優しく喋りかけた


洋ラン「…馬鹿じゃねえの?言ったろ、嘘なんか言わねえって…俺の目を見ろ。」


ゆっくりと顔を上げ、洋ランの方を見る


おたべ「…ホンマやの?」

洋ラン「だから…マジだって。」


その時、おたべが洋ランの胸に飛びつき、強く抱きしめた

洋ランは驚きつつも、そっと優しく抱き返した


おたべ「うちも好き…嫌いなわけないやん…!」

洋ラン「さんきゅ…おたべ。」


2人の気持ちは通じあい、静かな日々へと戻った


???「…見ちゃった…。」


パシャっ…


続く