写真家・小澤太一の『logbook』

写真家・小澤太一の『logbook』

小澤太一のなんでもない毎日の記録集

【写真集告知】


『赤道白書』4840円<税込価格>


『SAHARA』3960円<税込価格>


『ナウル日和』3520円<税込価格> 

すべての写真集は【小澤太一のHP】で販売しています。サイン付きが必要な場合もおっしゃってください。
コザワとお会いできる人は、直接購入することもできます。少しですがサービスもいたしますので、気軽にお声をかけてくださいませ。

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まだ12月15日ですが、昨日で仕事納めとなりました。そして2025年の日本で書く最後のブログです。まずは本年も大変お世話になりました。今年を振り返ってみると……本当に2つの写真集のことしかやっていませんでした。

まずは右にある『HEROES』。こちらは2002年に自分で初めて海外に行き撮り始めた写真の中から子どもを主役にした写真を集めた、ぼくの子ども写真の歴史やクロニクルを意識しながら総まとめとして作ることができました。しかもキヤノンのエターナルコレクションという、まさに写真品質そのもので作れたので、印刷の妥協も一切ありません。エターナルコレクションで扱っている作家の方々を見るとレジェンドばかりなので、その中の一員として写真集が出せたこともとてもありがたかったです。

 

エターナルコレクションの印刷は、キヤノンのドリームラボ5000というすごい印刷機を使っているんですが、はじめてその機械を使って作って写真集を作りませんか?……とキヤノンのコッシーからお声がけいただいたのが振り返ってみると2015年のことです。そこでできあがったのが、あのピンクの大きな『レソト日和』。限定販売をして、とてもたくさんのみなさんにご購入していただいたことを思い出します。あれからもう10年なんですね。その後、ドリームラボ(通称ドリラボ)を使って、いくつもの写真集を作ってきました。わりとドリラボを使いまくっている作家といってもいいのかもしれません。そんな中で、このエターナルコレクションをぜひ……と話をいただいたときには、正直『いつかはやりたいと思っているけれど、やれるとしてもだいぶ先のことなんだろうなぁ……』と思っていたので信じられなかった、というのが第一印象です。

 

制作過程においては過去の膨大なHDDを見返したり、またいつもとは違うフィルムやネガの確認、そしてスキャニングや複写など、いろいろな不慣れな作業も入ってきたりと、とても大変な作業の連続。しかも短い時間の中でやらないといけなかったので、ほぼほぼ記憶がないのですが……それだけ濃密な時間だったはずです。

 

Nine Galleryでの展示には多くの人に来ていただき、それはとてもうれしかったですし、購入いただいたみなさんにはさらに感謝の気持ちでいっぱいです。キヤノンのエターナルチームのムコちゃんや、ドリラボ印刷の星野さんという、裏方を支えるメンバーともギャラリートークができ、またいつもの三村さんともトークをいくつかやりました。そのひとつがこちらのリンクです。

https://www.youtube.com/watch?v=PioZXs2gZBk

 

ぼくの子ども写真はあれで終わり……ではないと思うので、これからもどう変化していくのか、もしくはそのままなのか、自分自身でもよくわかりませんが、間違いなくぼくが写真家として歩き始めたばかりの頃の原点、そしてそこからの歴史がつまっているのがこの『HEROES』写真集なので、ぜひ多くの人に興味を持ってもらえますとうれしいです。この機会にぜひ買ってみようかな、と思われた方は以下のリンクからよろしくお願いいたします。
https://personal.canon.jp/product/photo-collection/photographers-e-collection/16-heroes

 

そして左の『回』のプロジェクトですね。これは本当に自分としても記録に残しておきたいことばかりだったので、日々のブログやSNSでもたくさんのことを書いてきました。多くの人に携わっていただき、とても充実した日々を過ごせました。

 

まずは『回』写真展をキヤノンギャラリーSという超絶素晴らしい空間で開催できたことは、これは2025年だけにとどまらず、ぼくの写真家人生にとってもとても大きなことだったと思います。個人の写真家が、あれだけ大きな空間で展示を作れることはほとんどありません。東京の……つまり日本と言い換えてもいいと思いますが……ギャラリーの中でもあれだけの環境、空間を持っているところは美術館レベルを除くとほぼ無いのではないでしょうか。写真家だったらいつかはやってみたい、目標のすべきギャラリーだとぼくも昔から思っていたし、多くの写真仲間との会話の中でも、ギャラリーSはそういう扱いなのを強く感じます。ご存知のようにあのギャラリーは公募でもなく、お金で借りられるわけでもなく、キヤノンからのお声がけで開催できるようになります。ぼくにも『いつ、どうやってやれることになったんですか?』と聞かれることも多かったですから。

 

ぼくもお声がけいただいたときのことはしっかり覚えているし、とてもうれしかったです。写真家としても一世一代の勝負どころ……と思って、『どんな展示でもお好きなものを!』との問いに『じつは今、北海道を撮ってまして……』と即答で、この当時は名前がなかった『回』の話をしたことを覚えています。そこからはほぼ作品作りの中心を北海道に見据えて臨んできました。一世一代だからこそ1ヶ月半の展示期間中、毎日在廊する、ということもできたわけです。おかげでとても多くの皆さんともお話しできたり、学ばせていただきました。ご来場いただいたみなさんには大変感謝の気持ちでいっぱいです。

 

余談ですが、あるキヤノン関係者の人からいただいた言葉に『小澤さんにはSは<アガリ>のギャラリーだと思わず、<踏み台>のギャラリーとして思ってもらえたら……と思っていたので。だから今回の「回」はとてもよかったんじゃないですかね!』というのがありました。ぼくとしてははじめての日本を扱った写真展、しかも写真展会場やギャラリートークでもとてもたくさん言われた、『多くの人が撮っている北海道』に行って何をコザワはやっているのか?……についてのぼくからの答えがあの展示としてまとめることができました。チャレンジした部分も多くあり、そこのひとつひとつを書いていたらとても文字数と時間が足りないのですが、あの展示については本当に学べる機会が多く、あの展示の前と後とで、意識の中のなにかが変わったと言ってもいいのかもしれません。間違いなく、今までよりも『もう恥ずかしい写真展はできないなぁ……』と強く思っているし、だからと言って『無難にまとめた写真展もできないなぁ』とも思っていたりもするから、さて、次はどうしたらいいのかと思案中です。そうそう、ギャラリートークで野町さんからいただいた『試行錯誤の一里塚』のお言葉とはまさに、今のぼくだと言えるのではないでしょうか。そんなギャラリーの展示のアーカイブがいつのまにやらキヤノンサイトの中にできていたので、よろしかったらこちらもご覧ください。
https://personal.canon.jp/showroom/gallery/s-memories/2025/exhibition176

 

この写真展にあわせて、写真集『回』もできました。よく言われるように、写真展は終わってしまったら何も残らないけれど、写真集はあとに残せるから……というのを、今、身をもって痛感しています。この写真集にも、デザイナーとして三村漢さん、編集として高橋佐智子さん、印刷にかかわるプリンティングディレクターとして鈴木利之さん、さらにキャプションや編集周りの監修として北海道の鈴木貴也さん、西尾朋高さんにも協力いただきました。もうこの5年近くのすべてのことが、この1冊にまとまっていると言えます。ご興味を持ってもらえたら以下のサイトよりお買い求めいただけますとうれしいです。

https://ulus-publishing.stores.jp/items/68dbbb32b859d320f4b6d7f5

この写真集についてもたくさん言いたいことばかりだし、間違いなくぼくの写真家人生にとってのマイルストーンだと思っていますが、やはり書き始めたらキリがないので、こちらはあっさりと。それでも最新作でもあり、代表作でもあり……。それが回でしょう。展示するまでどうなるかわからなかったけれども、展示が終わってもぼくの北海道二拠点生活はもうしばらく続くことは決まりました。どのような未来が待っているかはわかりませんが、4年半の区切りの写真集としては、とてもいい形にまとまったと思います。ぼくとお会いする機会がある人、もしくはFBなどで繋がっている人は、直接ご連絡いただけましたら作家から丁重にお送りさせていただきますので、そちらもぜひよろしくお願いいたします。今でもポツポツとメッセンジャーなどで、『回、まだある?』と連絡いただけることはとても嬉しく思っていますし、作者としてはこんなにうれしいことはありませんから。在庫がまだたくさんありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

という、まさに2冊にかかわる仕事で今年は終わったわけですが、今日から旅に出ます。

ひさしぶりのサハラ。ラクダにすべての荷物を乗せて、目的地もなく毎日ただただ歩いてきます。午後になって疲れたら、好きなところにテントを張り、夕ご飯を食べ、1日の半分の夜の闇を楽しんできます。

電波もほとんどないし、電気もないし、何が起こっても不思議では無い環境。かなり長い間、音信不通になるかもしれませんが、元気でいたらまた会いましょう。

 

写真家として、より一段成長してきます!!

 

あらためて言いますが、今年も1年大変お世話になりました。そして2026年……もしも無事に戻ってこれましたら、新しいコザワを引き続き……いやこれまで以上に、どうぞよろしくお願いいたします。

 
 
 
 

本日はコザワ写真予備校の日。しかも最初で最後の撮影実習日ですが、あいにくの雨!今までの予備校撮影実習で雨は初です。3期生、運がいいのか……それとも!?

さて、授業としてはいつもの朝9時からなのですが、実習日はいつものように希望者だけの朝練もあります。本日の朝練集合時間は6時半!朝イチの明治神宮で参拝しながらの撮影です。

 

そして9時からの授業になっても雨はやまず……

最後の最後、授業が終わった途端、雨があがりました。

あの雨が降り続く中で、なにを見つけて撮影したのでしょうか?各自の実力と根気が試される、そんな1日でした。

Youtubeでメイク動画を見ながらバレエのプロフィール写真の用意をするモロッ子。ケータイから聞こえてくる『やりすぎると、おてもやんのようになりますのでご注意ください……』との声。時すでに遅し!?

『回』写真展でもっとも話題になった作品は、おそらくこちらの写真でしょう。会場に1ヶ月半在廊していて一番質問が多かったものもこれだし、一番わからないと言われたのもこれだし、『とても美しいです!!』とベタ褒めする人が多かったのもこれだし、『NYの画廊とかで売れるのはこれだね』と高く評価していただいたものも……全部これです。『わ、和紙ですか……?』『大理石の壁……』なんて話になる写真も、全部おんなじ写真である、これです。あの展示場所、大きさと相まって、この作品がみなさんの記憶に残っていることだと思います。


この写真、もちろん撮影した総枚数150万枚から1万枚にセレクトするときに選んだのはぼくですが、じつはそこまで評価をしていなかったのです。『よくわかんないけれどなんか気になるし、ひょっとしたら写真展や写真集の箸休めカットとしていいかもね〜』くらいの気持ちで選んでいたかもしれません。たしかにギャラリーSという広い空間や今回の144ページある厚い写真集の中なら、そういう類のカットは必要になりますから。

それをここまで大きなサイズでプリントして、この位置に飾ろうと言い出したのは、一緒に展示を作ってくれた三村漢さんです。『展示でこれだけやらせてもらえれば、あと残りはたいちゃんの好きなようにしていいから!』とまでこだわって、会場の中で一番大きなサイズの写真にすると言いました。

まぁ、彼がそこまで言うのなら、そうしようか。

素直にそう思えたのは、2014年以来、ぼくと小澤写真を一緒に支えてくれていたから、です。干支一周かけて、たくさんの写真集や制作物を作ってきた大切なパートナーの意見は、無碍にはできません(笑)。

そんな作品ですが、会場でサンプルを置いていたA4やA3ノビサイズではなく、展示サイズのままでご購入をしたい、という方もいらっしゃいました。たしかにこの写真に関してだけ言えば、大きなサイズがより映える写真だと言えますからね。今までの写真展のときのように、『現品一点限り!』で作品を販売できればよかったのですが、今回の写真展ではそれをやりませんでした。しばらくの間は自分自身でこの作品を保管しておきたかったからです。なので、あらたに作り直すものでよろしければ……と予算を相談し、プリントを新規で作ったものがようやく写真弘社にできあがってきました。

展示と同じものなので特に変更があるわけではないのですが、それでもご購入していただいた作品の最終チェックは作者がやることが大事です。傷などもしっかり確認をして、サインを入れた作品証明書も同封。あとは郵送作業を待つのみです。

今後、日本のどこかのお店で飾られるこちらの写真……写真展会場と同じように、『これは何が写っているんですか?』『これ、写真ですか?』……いろいろな会話がお客様との中で出るかもしれませんね。ぼくもぜひいつか、その空間を見に行ってみたいなと思います。

本当はネガは複写した方が楽だし画質的にも綺麗だと思っている派ですが、このサイズだと複写する術を持っていないので、仕方なくエプソンのスキャナーを動かすことになる年末……。『今年のことは、今年のうちに』

 

そしてひとつ問題が片づいたと思ったら、今度は別の問題が浮上する『フィルムカメラあるある』。2台同じカメラを持っていても、どちらかが入院していることがほとんどの状態……という手のかかる子を、ぼくはいつまでかわいいと思えるのでしょうか!?