「ハイ・コンセプト」でお馴染みの
ダニエル・ピンクさんの書籍で
「人を動かす、新たな3原則」という本があります。
その中で、
「人を動かすものは、もはや強制的な力ではなくなった」
と言っています。
この本の中で、わかりやすい事例が
紹介されていて
たとえば、
南アフリカでは、バスが主要な交通手段なのですが、
ドライバーの運転が荒く、交通事故も多いそうです。
死亡事故も多く、その死者の数は、
マラリアよりも多いといわれています。
そこで、ある研究チームが、こんな実験をしました。
バスの窓に以下のような広告を張りました。
「危険を感じたら、
勇気を持って、運転手にクレームを言おう。」
これによって、乗客自らが、
運転手にクレームを言うようになり、
事故率が80%下がったそうです。
それとは別に、
運転手に直接「安全運転をしてください」と言ってみたところ、
まったく改善は見られませんでした。
また、別の事例では、
ある病院で、医師の手洗いを励行しても
なかなか洗ってくれませんでした。
そこで、
「あなたの感染は防げます。手洗いをしましょう。」
という表示を張りました。
でも、効果はありませんでした。
そこで、表示を、
「患者の感染が防げます。手洗いをしましょう。」
に変えてみると、
医師たちは、きちんと手洗いをするように
なったそうです。
人が動く動機というものが、この2つの実験から
浮かび上がってきませんか?
そう、人は自分のために動く動機だけを
持っているわけではないんですね。
自分の感染を防げるから手洗いをしようと思うひとよりも、
患者の感染を防げるなら手洗いをしよう。
そう思う医師の方が多かったというのも
そのことを表しています。
ピンク氏は、この書籍の中で
人を動かす動機に、「奉仕」という感情があるということを言っています。
そしてさらに、
何かモノを売るときも同じだとも言っています。
あなたの広告やサイトで、
見た人の奉仕の心を刺激できないだろうか?
そういう目線で書き直してみるのも良いのではないでしょうか?
それではまた!