【パナソニック汐留美術館】
開館20周年記念展
帝国ホテル二代目本館100周年
「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」
会期:2024年1月11日(木)ー3月10日(日)
行ってきました。
ずっと人が多くて、大人気の展覧会です
恥ずかしながら、”フランクロイド”のこと、ほとんど知りませんでした。帝国ホテル、自由学園の設計をした人で・・・・・ぐらい。
建築関係の展覧会は、本物の建物を見るわけではないので、図面とか資料だろうとは思っていましたが、この展覧会は、特に資料が多かった。。
でも、それだけではなかったです
フランク・ロイド・ライト(1867–1959) は、
「近代建築の三大巨匠」の一人といわれる、
アメリカ近代建築の巨匠。
「エドガー・カウフマン邸(落水荘)」や「グッゲンハイム美術館」で知られ、日本では、「帝国ホテル二代目本館(現在は博物館明治村に一部移築保存)」や「自由学園」を手がけています。
国内での回顧展は26年ぶりだそうで、出品数が約400点!
関係場所が所蔵する貴重な資料や図面、ドローイングや写真、家具などが並んでいます。
残念ながら展示室は、ほぼ撮影不可でした。
※撮影NGのため”チラシ”の画像。作品内容は公式HPなどを参考にしています。
その中でも、
ドローイングの細やかさは美しかったです。
図面というより絵画を観ているような気分になりました
⇩《ドヘニー・ランチ宅地開発計画案(カリフォルニア州ロサンゼルス)1923年頃 透視図》
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館
フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵
ライトは、シカゴ万博で偶然目にした浮世絵に心惹かれ、後に来日。
各地を旅行する中で、風土に根差した庭園やお寺などに魅了されます。
ライトは浮世絵が大のお気に入りで、コレクションもしていたそうです。
⇩歌川広重
《名所江戸百景 真間の紅葉手古那の社継はし》
安政4(1857)年、神奈川県立歴史博物館
その日本美術好きは、ライトの透視図にも。。。
⇩《第1葉 ウィンズロー邸 透視図》
『フランク・ロイド・ライトの建築と設計』
1910年、豊田市美術館蔵 フランク・ロイド・ライト
手前にある植物を大きく描いていますね。
やっぱり、浮世絵好きだったのでしょう
その他、日本では最もよく知られている、帝国ホテル二代目本館の図面やレンガ、椅子、立体の模型図も展示されています。かなり大きな模型でした。
⇩
左:《帝国ホテル二代目本館(東京、日比谷)第2案 1915年 横断面図》
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館
フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵
右:《帝国ホテル二代目本館 椅子「ピーコック・チェア」》
デザイン・1913年頃、製作・1930年頃、豊田市美術館蔵
京都の”平等院鳳凰堂”がヒントになったとか。
帝国ホテルにまつわる関係資料は、特に多かったです。
設計から約10年、やっと完成したホテルの落成式の当日、1923年9月1日、関東大震災が発生。
ほとんど壊れずに残っていたというのも知られるところです。
1967年に閉鎖。今では”帝国ホテル二代目本館”は、明治村(愛知県犬山市)に一部移転されています。
⇩《移築された帝国ホテル二代目本館の玄関部分》
建築・フランク・ロイド・ライト、撮影・ToLoLo Studio
2023年撮影 撮影協力・博物館明治村
あっ、そう、帝国ホテルのレストランで用いられていた、カップ&ソーサ―やプレートも展示されていて、デザインの幾何学模様は可愛かったです
そして、大量の展示物の中でも、キラキラ感を感じたこちら↓
⇩《クーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラス》
1912年頃、豊田市美術館蔵 フランク・ロイド・ライト
「クーンリー・プレイハウス幼稚園」で用いられたステンドグラス
真ん中にアメリカの国旗のようなものと、丸い風船のような、四角の紙吹雪のような、子供が好きそうなモチーフをたくさん集めた窓ガラスです。
裏側からみると、パステルカラーの色に見える仕掛けもあるそう。
こういった教育現場へのライトのお仕事は、家庭生活や教育の変革に取り組んだ女性運動家たちとの交流によるものだと。
日本では、帝国ホテル設計のために滞在していた時に、「自由学園」も手がけています。
東京・池袋にある「自由学園明日館」です
他にもライトには、多様な文化との出会いと交流がありました。アメリカ国外の作家や文化と融合した建築物の紹介もあります。
⇩《大バグダッド計画案(イラク、バグダッド)
1957年 鳥瞰透視図 北から文化センターと大学をのぞむ》
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館
フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴズ蔵
↑イスラム文化との出会いから生まれた美しい都市像、大バグダッド計画!
す、凄すぎる!?
イラクの王様にオペラハウスの設計を頼まれたフランクロイドライトは、チグリス川や大学なども含めた、都市構想を王様に提出したそうです。
実際は、
王政が崩壊して実現しなかったそうです
もっと先の未来都市みたいです
あまりの展示物の多さに、紹介は一部ですが、
こちらは↓この展覧会で唯一の撮影スポット📸でした。
⇩ユーソニアン住宅の原寸モデル
2.685×8.9×4.5m
↑このユーソニアン住宅とは、ライトが1930年代後半から取り組んだ、一般的なアメリカ国民が住むことのできる安価で美しい住宅。
その原寸モデルが展示されており、玄関から居間の空間を体験できるものになっています。
後で知ったのですが、座って良かったみたいです。誰も座っていないので、撮っただけで終わってしまいました
建築みるの好き~、ぐらいの私には、並んでいる資料は、専門的すぎて難しかったです。
ただ、ライトの建築には、人間が生活する場所は、「”自然”と一緒に考えていくこと」が大事であるというテーマであったことは、図面からでも伝わってきました
私が行った時は、何となくの感じですが、観ている層がいつもと違う。明らかに建築関係者では!? と思うほど。
”えっ、その図面、そんなに見る?? ”止まって前に進まないという現象が。。。
それだけ、建築に携わっている方には、必見の展覧会なのだと思います。
3/10(日)までです。
巡回展
フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築
●2023年10月21日(土)〜12月24日(日)
豊田市美術館(愛知県)
●2024年1月11日(木)〜3月10日(日)
パナソニック汐留美術館(東京都)
●2024年3月20日(水)〜5月12日(日)
青森県立美術館(青森県)
(2024/1 撮影)