先ず、この度の能登半島地震により被害を受けられた皆様へお見舞い申し上げます。
そして被災地の皆様の無事と安全を心よりお祈りいたします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします🐉
【静嘉堂@丸の内】
「ハッピー龍イヤー!」
~絵画・工芸の龍を楽しむ~
会期:2024年1月2日(火)~2月3日(土)
年が明け、最初に訪問しました。
静嘉堂の“龍”が勢ぞろいの展覧会です。
想像上の動物である「龍」は、古代中国で誕生。天に昇り、雨を降らせるなど様々な力をもつとされ、強さや権力を象徴する龍は、吉祥図様として、東アジアの絵画をはじめ、数多くの工芸品に取り上げられています。
それにちなみ「龍虎図」が良く知られますが、「龍鳳図」、「雲龍図」、「龍濤図」など、龍は多彩な姿で表されます。
2024年・辰年の初めに、静嘉堂では、「龍」の絵画・工芸品が公開されています。
展示室4つのうち、3つの部屋は撮影OKでした。
画像は撮影OK作品。作品内容は公式HPなどを参考にしています。
⇩【重要文化財】
『 説文解字』8冊のうち
許慎(後漢時代)/著 徐鉉ほか/校
南宋時代(12世紀)刊
🔍部分
↑『 説文解字』は、中国最古の部種別の漢字辞典。後漢の許慎が作った字書で、当時の正式な字体であった小篆文字、9353字を540の部首で分類し、それぞれの字の意味や形の構造などを説明した書物。
そのうちの1冊目冒頭(右側)と、6冊目(左側)。
”ここです⇩”の記された場所に”龍”の文字が掲載されています。
*龍についての説明パネル
⇩《摩尼宝珠図》鎌倉時代(14世紀)
↑仏画の一つ。龍宮とみられる壮麗な楼閣、火焔光を放つ3つの宝珠、それらの下方から青龍と赤龍が描かれています。鱗などには金泥が用いられ、躍動的な波濤と、波間からもくもくと湧く黒雲の対比に注目です
⇩《雲龍堆朱盒》「大明宣徳年製」銘
↑蓋の表には宝珠を追う5爪の龍。側面なども含め、9匹の龍が、瑞雲と牡丹に包まれている。
永楽・宣徳の明時代初期は中国漆工史上の堆朱の絶頂期で、皇帝権威の象徴する工芸となり、このような九龍の大型の堆朱盆(蓋物)は、北京と台北の故宮博物館とこの作品を合わせ世界に3点が知られている。
⇩《紺地龍”寿山福海”模様刺繍帳》
清時代(19世紀)
↑この帳のもとは、清朝皇帝の衣服「龍袍」をリフォームし、煎茶席に使う「帳」に作り替えた可能性がある作品。立派な刺繍です
⇩【重要文化財】
橋本雅邦《龍虎図屛風》明治28年(1895)
↑右隻には激しい雷鳴のなか飛来する龍の親子、左隻には懸崖で龍に向かって激しく吠えている2頭の虎が描かれています。
中国・儒教の経典『周易』には「雲は龍に従い、風は虎に従う」とあり、古来、龍と雲、虎と風は「龍虎図」の典型的なモチーフでした(🤔ほう~)
”近代日本画の父”といわれる橋本雅邦の代表作。
屏風の名作対決!として、
鈴木松年《群仙図屛風》明治28年(1895) も並んでいます。
「東の雅邦」「西の松年」 として第4回内国勧業博覧会に出品され、受賞は逃したものの後年、評価が高まった作品だそうです。
⇩《色絵団龍文陶板》有田窯
江戸・元禄年間(1688~1704)
↑乳白色の肌に鮮やかな色彩で青龍が描かれている。本品は京都・西本願寺転輪蔵内部の装飾に用いられる同形式・同意匠のもので、底面に作者を示す銘が記されている(右図)。
柿右衛門様式の色絵の制作年代を知る手がかりとして貴重な作例だそうです。
⇩三代目歌川豊国(国貞)・二代歌川広重 画
↑長崎の遊里・丸山の妓楼で、男女が蒸気船の走る海を眺めている。
異国情緒あふれる画。
花魁の着物の柄が”龍”です!
⇩《青花黄釉雲龍文盤》「大清乾隆年製」銘
清時代・乾隆年間(1736~95)
↑濃麗な青花(染付)で主文様の雲龍文、周囲の波濤文を表し、背景すべて、清朝にて開発された酸化アンチモンによる”レモンイエロー”の色釉で塗った絵皿。
外側は”寿山福海”を暗示する山と波濤文が描かれています。
約1年ぶりぐらいの「静嘉堂@丸の内」でした。
撮影はできませんが、
〇国宝《曜変天目(稲葉天目)》
南宋時代 (12~13 世紀)
〇重要美術品《唐物茄子茶入 利休物相》
南宋~元時代(13~14 世紀)
~~こちらも、久しぶりに鑑賞できました
他にも印象的な”龍”はありましたが、この辺りで。。。
今年が皆様にとって、心穏やかに過ごせる年でありますように
(2024/1/3 撮影)