【アーティゾン美術館】
「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」
会期:2022/11/5(土) - 2023/2/5(日)
パリ・オペラ座は、フランスを代表する歌劇場。
パリ9区の絢爛な建築は、19世紀後半パリの近代化の一環として計画され1875年に完成、設計者の名に由来しガルニエ宮(オペラ・ガルニエ)とも呼ばれる。
ルイ14世によって1669年に設立された王立音楽アカデミーを前身とし、350年以上の間、台本作家や作曲家、美術家に、芸術的な進展や技術的な革新を可能にする表現を常に注文した。1989年にバスティーユ歌劇場(オペラ・バスティーユ)が完成。
現在二つの劇場でバレエ、オペラの古典から現代作品までを上演している。
フランス国立図書館やオルセー美術館などから
約200点の作品が来日
※画像は撮影作品やチラシ画像などです。
展示室に入ると
↑ポーラ美術館で購入したポストカード
パリを象徴する建物の数々が描かれている。
<ガルニエ宮の誕生>
《ガルニエ宮ファサードの立面図》1861年
シャルル・ガルニエ
《オペラ座、ガルニエ宮広場、パリ》1880-1890年
レオン&レヴィ・スタジオ
《オペラ座の落成式 1875年1月5日》1878年
ジャン=バティスト=エドゥアール・ドゥタイユ
⇧贅沢なほどの彫刻を施した大理石の玄関。階段には当時の各界の名士や海外からの賓客が描かれている。
パリ・オペラ座ガルニエ宮 内観
⇧右:グランフォワイエ。社交界の中心の場。幕の間で人々が語らう場所だった。
⇧劇場自体が美術作品。オペラやバレエを鑑賞する場所でもあるが上流階級の社交場。
《ダンスの精霊No.2》1872-1910年
ジャン=バティスト・カルポー
<17世紀と18世紀>
※画像なし。
ルイ14世が踊ってると思った作品がありました。
作品名《1653年に宮廷で催されたバレエ『夜』の衣装、マンドリンを持つルイ14世》1653年
→華やかな衣装を着てマンドリンを手にしていた男性。フランスの国王、ルイ14世が踊っている作品。バレエを嗜み舞台に立つことがあったそう。
ルイ14世は、オペラ座の前身となる舞踊団を設立。バレエやオペラをイタリアから持ち込み普及させる。
《見晴らし(ピエール・クロザ公園の林越しの眺望)》1715年頃
ジャン=アントワーヌ・ヴァトー
この楽譜の他に、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの手書きの楽譜がありました(1780年) なんか感動本当にモーツァルトの!
<19世紀 [1]>
《悪魔のロベール、第3幕第5場の三重唱》1835年
フランソワ=ガブリエル=ギョーム・レポール
⇧役者の容姿や身振りが神々しくドラマティックに描かれている。
巨大な舞台装置やオーケストラの導入などで凝った演出をして表現した。グランドオペラ。
《『パ・ド・カトル』を踊るカルロッタ・グリジ、マリー・タリオーニ、ルシル・グラーン、ファニー・チェリート》
アルフレッド・エドワード・シャロン 1845年
⇧”パ・ド・カトル”とは4人の踊り。当時のオペラ座を代表するトップダンサー達が描かれている。
当時、妖精が主人公のバレエが人気だった。ロマンティックバレエ。
※画像なし。
『マリー・タリオーニが所有していたトゥ・シューズ』(1840年頃) が展示されていました。
トゥ・シューズは妖精が宙を舞うさまを表現するためこの頃に使われたのが始まりで、今では考えられないほど形状が違うらしいです。
見るからに小っちゃ足の指全部入るの?これで立つの?と思ったくらい小さかったです
左:「『跛(あしなえ)の悪魔』より「カチュチャ」を踊るファニー・エルスラー」
→マリー・タリオーニと人気を二分したダンサー
右:「『ジゼル』を踊るカルロッタ・グリジ」
<19世紀 [2]>
エドガー・ドガ《バレエの授業》1873-76年
↑気だるそうにうつむくダンサーのたまご達。左には背中に手を当てる少女。リアルで様々なポーズをとるダンサーの授業風景。熱心な子、退屈そうな子、、いろいろですね
エドガー・ドガ《右手で右足を持つ踊り子》1896-1911年
エドガー・ドガ《踊り子》1873年頃
エドガー・ドガ《踊りの稽古場にて》1895-1898年
エドガー・ドガ《右足で立ち、右手を地面にのばしたアラベスク》1882-1895年
エドガー・ドガ《舞台袖の3人の踊り子》1880-1885年
⇧ドガって、彫刻作品もあるのですね
今回の展示の見どころなのかなあ
この所蔵の違う2点が横に並ぶ貴重な機会
⇧シルクハットを被り、礼装に身をつつんだブルジョア男性の群れ。その相手をしている女性は娼婦や女優。当時、男女が接点をもつ集いが開かれていました。
⇧上の作品よりも少し抽象的な描き方。オペラ座の正面からロビーを見ている。
華やかさだけでなく、こんな人間模様を描く画家とは!マネって挑発的なのねって思った
※画像なし。
《ハムレット役のフォールの肖像》1877年 エドゥアール・マネ
が展示されていました。
フォールから自分の一番の当たり役の肖像を描いてほしいと依頼され描いた作品。
父親の亡霊と相対している場面で、その亡霊に出会った時の真に迫る表情を描く。
ポーズがカッコよくないせいか、依頼した本人はこの作品を気に入らず、受け取らなかったそう。
<20世紀と21世紀>
バレエ・リュス公式プログラム 1910年
⇧バレエ・リュスとは、20世紀初頭、ロシアで生まれたバレエ革新運動
⇧実際見るととても美しかった
藤田嗣治《オペラ座の夢(『魅せられたる河』より)》1951年刊行
⇧藤田嗣治が装丁と挿絵を施した書籍『魅せられたる河』に収められた版画作品のひとつ。裸婦の顔は窓外のオペラ座に向けられている。
《オペラ座の人々》1968-1971年
マルク・シャガール
その他、画像はありませんが、天井画もインパクトありました!
現在のオペラ座の天井は、シャガール《夢の花束》1964年
《ガルニエ宮の天井画のための最終習作》マルク・シャガール 1963年
最初の展示室にあった、以前の天井画は、
《ミューズと昼と夜の時に囲まれ、音楽に魅せられた美の勝利(パリ・オペラ座円天井の最終案)》ジュール=ウジェーヌ・ルヌヴー 1872年
シャガールの天井画の内に、以前の天井画が隠されていて、被いかぶさっている状態との事
同じ展示室には、日本のデザイナー高田賢三、森英恵が手掛けた衣装デザインや靴も展示されていました。
パリ・オペラ座が、あらゆる分野の創造者と連携し、芸術を発展させ築いているかを感じることができます。
<オペラ・バスティーユ>
現在のオペラ座は、ガルニエ宮とオペラ・バスティーユの2つを指します。
劇場も作品も時代とともに変わっていかなければならないという信念のもと、新たに建てられたオペラ・バスティーユ。
1989年に作られた近代的なオペラ劇場。2745席。カルロス・オットー設計の建物。
鑑賞して、、
音楽の好きな人、バレエやオペラが好きな人、絵画が好きな人など、、、いろんな人が見て楽しい展覧会では
オペラ座の歴史や背景を知った上で、実際のオペラ座に行ってみたいと思いました。
↓今回購入したポストカード
(2023/1 撮影)