【東京ステーションギャラリー】
特別展「佐伯祐三」SAEKI YUZO
- 自画像としての風景
会期:2023年1月21日(土)~4月2日(日)
東京駅 丸の内”東京ステーションギャラリー”🧱
めずらしく展覧会の初日に行ってきました”佐伯祐三"展。
展示室内は撮影。入口や出口のパネルのみ撮影でした。
佐伯祐三は、(ざっくりこんな感じの年譜・・・)
1898年 現在の大阪市に生まれる。
1923年 25歳で東京美術学校西洋画科卒業。その後フランス・パリへ。
巨匠ヴラマンクに「アカデミック!」と一喝される。
ユトリロに触発され、壁のパリ下町風景の連作を展開。
1926年 一時帰国。東京・下落合の風景や大阪での滞船の連作を制作。
1927年8月 再度フランスへ。パリの街並みを精力的に描く。
広告の文字を題材とする線の表現で独自の画風を築く。
1928年2月 画家仲間と近郊のヴィリエ=シュル=モラン村へ写生旅行。
3月 パリへ戻って体調悪化。
8月16日 パリ郊外の精神病院で30歳で亡くなる。
かなり簡単に書きましたが、2度フランスへ渡ったのですね。30歳で亡くなるとは、、若い、、
今回の展覧会はそんな佐伯祐三が描いた「東京」「大阪」「パリ」の3つの街に注目し、画家の表現の変化を見ることができます。
※画像は、パネル写真やチラシ画像、購入したポストカードからです
[プロローグ]
1924年《立てる自画像》大阪中之島美術館
⇧画学生時代を中心に、多くの自画像を描いた。ペンや鉛筆によるスケッチの他、劇的な画風の転換を示す象徴的な作品の↑作品は、顔が削り取られた特異な自画像。
[第1章 大阪、東京]
1926年~27年にかけて描かれた「下落合風景」 と「滞船」 のシリーズ
1926年頃《下落合風景》和歌山県立近代美術館
⇧電柱の他にも高低差がある風景に目を留め、同地を繰り返し描いた。
1926年頃《汽船》大阪中之島美術館
⇧ほとんど同じ構図で船を真横から描いた。
一度めのパリで街景に向き合った視点を応用しつつ、中空に伸びる線という要素を見出し、画には電柱やマストに伸びる線が描かれている。
当時は評価されなかったそうですが、私個人的には、この時代の風景画はとても好きです
[第2章 パリ]
一度めのパリ時代(壁のパリ)。パリの下町の店先を題材に、重厚な石壁の質感を厚塗りの絵具で表現する独自の作風に至る🎨
1925年10月5日《壁》大阪中之島美術館
⇧西洋建築独特の重厚な壁を真正面から描いた絵。他作品にはない日付まで入る渾身の作!
1925年《コルドヌリ(靴屋)》石橋財団アーティゾン美術館
二度めのパリ時代(文字と線のパリ)。広告の文字と画面を跳躍する線描。
1927年《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》大阪中之島美術館
[第3章 ヴィリエ=シュル=モラン]
1928年2月、パリから電車で1時間ほどの小さな村、ヴィリエ=シュル=モランに滞在。村の中心である教会堂を描く。その後、体調悪化。
1928年《モランの寺》東京国立近代美術館
⇧正面性とシンプルな画風
[エピローグ]
1928年3月頃《郵便配達夫》大阪中之島美術館
⇧病苦の最中の作品。アパルトマンに来た郵便配達人に「描きたい」とモデルを依頼。ゴッホを意識している!?
※画像なし
最後のエリアには、《黄色いレストラン》《扉》と、2つの扉の絵がありました。扉の絵はどちらも、その奥にある深い闇をのぞかせる。佐伯の絶筆?。最期の自画像ともいえる。
今まで、あらゆる場所で佐伯祐三の作品を見たことはありましたが、今回の約100点余を一気に見たのは初めてでした。東京では18年ぶりの回顧展だそう。
ここ東京ステーションギャラリーの赤いレンガ壁の空間と、佐伯の重厚なパリの街並みを描いた名作は、とてもマッチしていました。
次回は、大阪中之島美術館で、4月15日~6月25日まで開催
今回展覧会の大半を占めている大阪中之島美術館へも行って見たいと思いました。
見てよかったです 興味のある方はぜひ
(2023/1/ 撮影)
↓これは以前アーティゾン美術館で購入したポストカード
↓1927年《テラスの広告》
以前アーティゾン美術館で撮影📷しました
↓1927年《ガス灯と広告》
以前東京国立近代美術館で撮影📷しました
⇧細長い人にも注目
こちら2作品は”文字と線のパリ”時代の作品。今回の展覧会で展示されていましたので一緒に投稿しました
公式サイト⇩