いつ終わるんだか謎のままつづく旅行記。
スウェーデン5日目。
さきに宣言するけどこの日は写真が少ないよ!
(雨だったので一眼を持ち歩かなかった)
今日は……ノープランです。
父はウプサラというところへ行きたいのらしい。
じゃあ私は街で物色かな……
妹が住むセーデルマルムの中で、スルッセンという原宿的なところと、ソホという裏原的なところがあるそうなのでそこへ行くことに。
妹とちろすけといっしょに地下鉄に乗り、てくてくと駅から歩き出します。
ちろすけはベビーカーより断然だっこバンドが好き。
機嫌のいいときはベビーカーにおとなしく乗っていますが、「にゃー!」って言い出すともうママの抱っこじゃないとダメ。
眠るときも同じで、なによりかにより断然だっこ。
しかも座ると怒る。
「立ってゆらゆらせんかいオラー!」って泣きます。
……たいへんやな10ヶ月……
妹いわく「ここ2、3週間で後追いが始まった気がする……」とのことで、確かに妹の姿が見えなくなると「にゃー!」って言い出すのです。
おもちゃや絵本でごまかしますが、火がついたように泣いちゃうと「おかんたっけて~」と妹のもとへ連れていくことに。
「ちろすけが寝てる30分の間にお風呂入って洗濯してごはんつくって掃除して……」オウ……凄いな、ブラボーだぜママ。
そんなちろすけは起きてるときはもう、……絶えずしゃべってます。
私たちには一個も理解できない言語で。
「らっら~どぅんあぃでぃー、うぁうぉえぃ~、だっち!たっ!あうら!う~~だぅ!!」
……すんげーおしゃべりな子になるのかな。
寝入る前には、お経を唱えます。
いやほんとに。
だっこバンドで揺らされながら、
「あうあうあうあうあうあうあ~♪ だうあだうあうおうおうあ~♪ あいあいあいあいあ~~♪」
って、10分くらいのリサイタルを続けるのです。
「あ、お経出た」
「もうすぐ寝るね」
と夫婦は慣れっこのようです。
……歌が好きな子になるのかな?
あとおもちゃはとりあえずリズミカルに床に叩きつけます。
壁もガラスもリズミカルに殴りつけてるし、ミルク飲んでるときも片手はラッパーのように動いてます。
……太鼓叩きさんに(以下略)?
見てて飽きません。
が、毎日は大変だなこりゃ。世のお母さんお父さんはえらいな。
さてスルッセンで地下鉄を下りて、周辺を散策。雑貨屋さんと見るや入ってまじまじ。
「……妹さん……資金が陰ったんで換金所に行きたいです……」
「ちょっと歩いたとこにたしか……」
見つけた黄色い看板を入って、ガラス越しにお兄さんに万札を見せます。
『円からスウェーデンクロナにできる?』
「アー……」
なぜかお兄さん渋る。
「なんかシステムエラーがどうたら言ってる」
「近くに他の換金所あるかな?」
「聞いてみるわ」
『駅からあっちいってこういってそんなに遠くない。そこでのレートはこれこれだ』
「ありがとうー」
でもお兄さんなぜか万札を手にしたまま返してくれない。
しげしげと見つめてアハーと笑ったりちょっと挙動不審。
なんだろう返してくれなかったらやだな……
『日本のお金見たの初めてなの?』
と妹が聞くと
『いやいや初めてじゃないさ。でもこのへんじゃバーツばっかりだからね。ほらこれだよ。ああ、へえ……』
タイバーツを見せながら、諭吉さんを裏返したり下から見たり物珍しげで楽しそう。
『ここで換金するとこの額になるけど』
『ここでエクスチェンジできるの?』
『もちろんさー』
「システムエラーはどうなった……」
結局そこで両替しました。なんか奥からさらなるイケメンが出てきてその男性も「おお……」って諭吉に見入ってたんだけどそんなにめずらしいのかな?
マイペースで楽しそうでした、換金所のお仕事。
ビジターに手を振るときは、みんな「エンジョーイ」と笑います。
エンジョーイハバナイスディ! にこっ。
日本だと「楽しんでね!」とはあんまり言わないけど……お気をつけて、とかごゆっくり、あとばいばーい、とかかなニュアンスは。
タック、とかサンクス、とか返してましたが、妹がユートゥー、ヘイドー♪と言ってたんで見習うことにしました。
ヘイドー♪ ばいばいまたね、みたいな意味らしい。
スウェーデンでお店に入ると、店員さんは「ヘイヘーイ♪」と言います。
いわゆる煽りのヘイヘイじゃなく、歌うみたいな。音程はミソミー♪ くらい。
それがすごく優しい響きですきです。
迎え入れられた店内で物色するのはひたすら雑貨とときどき服。
今回いろんなとこで新しい種類を見つけては買い足しちゃったのはかわいい石鹸。
四角いかわいいカンカンに入ってるんだぜ……思わずお土産に買っちゃうんだぜ……
友達にあげられるかな~ってちいさなポーチとか、その子どもちゃんにおもちゃとか、きれいな絵はがきや、紅茶入れ。
老夫婦がお茶飲んでまったり営業してたきれいなギャラリーでこまごましたものたくさん買ったら、
『あなたたち日本から来たの? とてもいい買い物したわね』
とおばあさん。にこにこレジを打って「あらら」と一回間違えて、端数を「いいのよ」とおまけしてくれました。
ねんねタイムに入ったちろすけを妹がだっこバンドに入れて、心行くまで店内を眺めて
「どうしようこのりんご欲しい……」
妹がりんご型のサンドイッチケースに恋をしました。
「買ってあげるよー?」
「まーさんに怒られるなー……『かなちゃん、あとたった4ヶ月なのに……』って」
妹夫婦、4ヶ月後にはスウェーデンを離れて日本に戻り、そのあとすぐにオーストラリアに住む予定。地球を股に掛けた引っ越しは、一苦労のはず。
「まあ……そのときはそのときじゃない?」
「だよねー」
こうしてモノが増えていく、妹さん家。
ぶらぶらスルッセン、小腹が空いた。
「ここ美味しいって評判のアイスクリーム屋さん~まだ私も食べたことないの」
「食べよう!! じゃあええと、カップひとつをわけっこで……アイスはふたつ……みっつ?」
「いいねー!何がいい?」
「ラムレーズン!と……マカデミア……あとあのカシスシャーベット的な」
「ハロンだねー」
気のよさそうな店のおじいさん、私たちの前に並んでいた女の子が長考に入ったのを見て、コーンやカップの整理にいそしみます。
先に頼んでもいいかしら。女の子は真剣な顔。
「決まった?」と妹が聞いたら、むうんと眉をしかめたまま首を振り、手で「おさきにどうぞ」の仕草。
失敬してお先に、おいしいアイスゲットだぜー
したたり落ちそうなのをおっとと舐めつつ、近くの公園へ。
「妹さん、謝らないとならないことが……」
「え、なに。」
「お借りした帽子にカシスがついた」
我慢できずにスプーン使わずに顔を寄せて舐めたらね……
心とろける美味しさでした、三色アイス!
妹の標語は「いちにちいちアイス!」だそうです。
うむ、りっぱなココロザシだ。
雨がぱらついてきたので、ちろすけの眠るベビーカーにレインカバーをかけて、ここで妹と別れ、本格的に買いに走ることに。
ソホ地区からスルッセン、歩いて歩いてガムラスタン。
相変わらずちいさなポーチとか、ぺったんこの花瓶とか、絵はがきとか、薄いファイル、紙の袋なんかの小物類をちょこちょこ購入。
ここはどこだ、と地図を開いていたら
(地図の素早く読めない人間ですが、時間で余裕があればだいじょうぶ)
『だいじょうぶ? 何か手伝える?』
と上品なご婦人に声をかけられました。
『だいじょうぶ、ありがとう』
『あなた日本から来たの?』
『そうです』
『私は日本が大好き! 7回も行ったわ』
『わお』
『日本のテレビも好きよ、見たわ』
『テレビ……どんなテレビ?』
『NHK! NHKの~~(ここ聞き取れなかった)』
『そうなの』
『すてきな国! すてきな国ね』
『おー……』(あいづち上手になりたいなあ!)
『よい一日を!』
『ありがとう、あなたもね』
日本人ってぱっと見てわかるものなのね。
そういえばまーさんに「日本人オーラ出てる」と言われたな。
街でひとに話しかけられるっていいイベントですね。
ガムラスタンを歩いていたら、去年妹を訪ねてきたときに連れてきてもらった道に気づき、たしかここを行くと……あ、いたいた。と赤い帽子のおじいさん小人の人形にごあいさつ。
トムテっていうらしい。妖精さんなのかな。
去年の写真。
ちょうど1年前に見たお店をゆっくり眺めて、ああちょっと品ぞろえ変わってる……とか思いながら、またしてもみっけてしまったかわいい石鹸をゲットし……
もっこもこの毛糸と毛糸製品を置いてあるお店で、ものすごく佇まいのうつくしいカップを発見してしまい、こ れ は いかん!とふたつをそうっとレジへ。
薄くて、静かに白くて、モノトーンの繊細なタッチでひかえめな絵が入ったカップでした。
トランクの中で割れてませんように。
お店も閉まるくらいの夕方になってから(早い店は4時とかに閉まります。お客がいても電気が消える。こうしてみると蛍の光ってやわらかい文化ですね)、7時頃にさわら家に帰りました。
「おかえり~! 遅かったねえ、どこかで倒れてしんでんじゃないかって言ってたんだよ~!」
「いやいや。おう? 携帯に着信とメールが」
「携帯の意味ないねえ~」
夜は、小魚父特製のカレー。
おなべでお米を炊いて、サラダはサーモンで妹がこしらえてくれました。
座りしままに、美味しくいただきました!
ごちそうさまです。
夕飯を拵える父とまーさんの図。
さっそくりんごで遊ぶちろりんの図。