橋の欄干に手をかけ今にも川に飛び込もうとする女性を引きとめ、介抱した福島県郡山市の女子高校生2人に、県警郡山北署は感謝状を贈った。普段から心がけている地域住民へのあいさつが、1人の命を救った。

【写真】感謝状を贈呈された根田瑞希さん(15)と石渡凜音さん(15)

 尚志高校1年の根田瑞希さん(15)と石渡凜音さん(15)は6月1日午後8時半ごろ、ソフトボール部の部活を終え自転車で帰宅する途中、市中心部の川にかかる橋にたたずみ、川面を見つめる女性に気づいた。

 その日は肌寒い日だったが、女性はノースリーブの薄着。「変だな」と思った2人は自転車を止めた。次の瞬間、女性は橋の欄干に手をかけ、川に飛び込もうとする動きをした。

 「危ない!」。2人は女性に駆け寄り、欄干から引き離した。女性はうずくまり過呼吸に。2人は背中をさすりながら「大丈夫ですよ」などと声をかけた。

 2人は、女性の持ち物に
#ヘルプカード が結んであるのに気づいた。配慮や助けが必要な人が、周りの人に手伝ってほしいことや連絡先などを記した赤いカードだ。2人はカードに書いてある通りに女性に薬や水を飲ませ、記された連絡先に電話をかけた。周囲の人からの110番通報で警察官が到着するまで約30分、女性の介抱を続けた。

 20代のその女性は、2人のおかげで落ち着きを取り戻し、無事に保護者の元に送り届けられた。
朝日新聞社