こんにちは。コユ整形外科のゾ・ゴン院長です。
今日は「内視鏡の額挙上」といえば、欠かさず出てくるテーマである額挙上手術の固定方法についてお話ししたいと思います。
まず、額挙上手術をする理由は何でしょうか?
まず第一に、落ちている眉毛を元の眉毛の位置にリフティングさせることです。
そして内視鏡の額挙上手術の過程で、リフティングさせた眉毛を上から固定する過程が必要です。
この時に使う方法が大きく「エンドタイン」と「ボーントンネリング方法」です。
エンドタイン
エンドタインは植物性のプロテーゼであり、体内で100%糖分として溶けていくものです。
骨に専用のドリルで穴を掘ってそこにエンドータインを固定させ、さらにそこに頭皮の組織を固定させるものです。
ボーントンネリング
そしてボーントンネリングは、骨に微細なトンネルを掘って、そこに固定用の糸で骨に固定させ、
手術部位を骨膜と骨に固定させる方法です。
内視鏡の額挙上手術における「固定位置」は、眉毛側で行うのではなく、ヘアライン部位に内視鏡接近のために切開しておいた部位で固定することになります。
エンドタインもボーントンネリングも骨に穴を開けて固定します。
骨にいれる穴の大きさだけを比べると、エンドタインを使ったときに、より大きく深い穴ができてしまいます。
ただし、エンドタインとボーントンネリングの固定方法はどちらも安全性には大きな問題はありません。
固定力についての話が多いですが、個人的には熟練した医師が行うという前提の下で、ボーントンネリング方式がエンドタインよりも固定力を強くすることができると思います。
エンドタインは2つが1セットなので、たいてい2つで固定する方法で使うことになります。
広い部位にわたって鉤が付いており、皮膚組織を鉤にかけて固定力を維持させます。
広い部位に固定が行われるので、固定力が強いことには間違いありませんが、ボーントンネリング方式はより多くの固定ポイントを作ることができます。 また、糸を掛けるさまざまな方法で、いくらでもエンドタインよりも広く、強い固定力を生み出すことができます。
そのため、個人的には額挙上手術の経験が多い手術者であれば、ボーントンネリングでより広く強い固定力を生み出すことができると考えています。
私自身、額挙上手術の経験が多くないときは、エンドタインを使っていました。
エンドタインは手術者の立場では手術時間を減らすことができ、手術者による結果に対する振れ幅を減らすことができるので、経験が多くない先生方が使いやすいと思います。
ただ、額挙上手術を受ける方の立場では、エンドタインは費用がもう少しかかることになり、肌が薄かったり、額が広い場合にはやむを得ずしばらくはエンドタインに触れることもあるというデメリットがあります。
もちろん、内視鏡の額挙上手術の固定方式の選択は個人で行うものです。
正解が決まっているわけではありませんが、エンドタインを必ず使わなければならないという方でなければ、当院では基本的にボーントンネリング方式を多く使っています。
以上、コユ整形外科のゾ・ゴン院長でした。
ありがとうございます。