花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは・・・・。

これは徒然草、吉田兼好らしい、ひねくれた物の見方は、私をして師と仰がせます。しかし、そもそも忙し過ぎて、季節のゆくえも、知るよしのない、この頃の私です。

 

月やあらぬ、春や昔の春ならぬ、わが身一つはもとの身にして

伊勢物語、在原業平ですね。そういうものです、人生は。・・・・無常観。全ての美意識はここに集約され、悟るべき真理にも近そうです。

見上げれば、あふれるような桜花。足元には、名もなき草花(蛇苺の花ですが)の生命力。年々歳々花相似たり・・・・ですが、変わらぬ自分を、自分の同一性を、再確認する季節としての春でもあるようです。   (30.3.26)