乱雑にしていないか、玄関の履物のありようにも気を抜いてはいけません。

脚下照顧(きゃっかしょうこ)。禅の世界ですね。この語句は比喩であり、自己をかえりみ、自分自身の立脚点を見つめ直せ、という意味なのでしょう。

 

1 至誠に悖(もと)るなかりしか (至誠にそむくところはなかったか)

2 言行に恥づるなかりしか (言行に反省すべきところはなかったか)

3 気力に欠くるなかりしか (物事を成し遂げようとする精神力は充分だったか)

4 努力に憾(うら)みなかりしか (目的のため惜しみなく努力したか)

5 不精に亘(わた)るなかりしか (怠惰におちいったことはなかったか)〕

 

脚下照顧の具体化のようですが、これは、知る人は知る「五省」です。海軍兵学校です。今でも海自幹部学校の伝統標語であり、英訳して米国アナポリスの兵学校でも取り入れている、ともいわれます。

 

精神面でも現象面でも、常に自分を見つめ、反省する心は大切です。謙虚さに欠ける人、規範意識に乏しい人、裏表のある人、要領のよい人、こんな自分本位の人たちが増えるということは時代の進歩に逆行する状態だと思います。脚下照顧、ひとつの戒めとして、心に大書しておきたいものです。 (29.10.3)