夕方、敷地内に道をつくる土木作業を終えて、疲労困憊の家路。西日を背に受けて、私の前に私の影が伸びる。

それは私という実在の影、でも実在が質量を持った影なのかも・・・・。疲れているのでどうでもいい。

影の話は「洞窟の比喩」として「国家」の中に出てくる。「パイドロス」だかに登場する馬車の話も印象深い。プラトンは、なかなか比喩の名人だったのだなと思う。

歩きながら、私は発見した。急いでも、影を追い越すことはできないのだ、と。あたりまえである。