いろいろな色の木槿がありますが、一重の白い底紅木槿を
「宗旦木槿」そう呼びます。
利休の孫の宗旦が特に好んだことから、その名がつけられています。
お茶の世界では、椿同様、欠かせない花のひとつです。
写真のお菓子は、以前京都の老松さんでいただいた練切り。
銘は「宗旦木槿」
(写真の色が悪くて申し訳ないです…)
ん?でも白ではない…
とても温かみのあるお色でした。
なんでかしら…と調べていたら
~宗旦木槿は、茶室の中では真っ白ではなく少し温かみのある色にうつる~
と書かれている茶人の方の文章をみつけました!!
もしかしたら、これ!?
老松さんは、庭に咲いてる姿ではなく、茶室のほの暗い床の間に映る木槿の姿を菓子で模されたのかもしれません。
うんうん!きっと、そう!
なんかそんな気がする!
…と、勝手な解釈に一人で心ときめかせ、納得していましたら…
もう一つ宗旦木槿に対して、引っかかっていたことも、
なんだか、わかったような気がしてきました。
利休さんよりも、侘び茶に徹した宗旦が、なぜこんな明るく赤と白が美しい木槿を好んだのか…
なんだか「侘び」とは、とてもtoo much

宗旦好みの茶室(梅陰)
ほの暗い茶室で、
窓からの光を受け反射する木槿の白さはちょうどよく、
やわらかな光を放ち
床の間から美しい侘びの世界を作ってくれたのではないでしょうか…
宗旦の茶室は、利休さんよりも窓をたくさん作り
光を多く取り込んだという話を聞いたこともありますから…
もてなしを考える尽くす茶道の世界だとあり得ることだと、思いませんか?
そういえば…
以前、備前焼の茶会に参加したとき、
花入に緋襷(ひだすき)が使ってあり、緋襷の白い部分が、暗い茶室の中で、光を反射させ、とても美しく見えたのを思い出しました。
これときっと同じ感じね。
こんな楽しい妄想を膨らませてくれた、老松さんの「宗旦木槿」に感謝です。
寂綾-jakuryou-