最近、アニメ『タイガーマスク』を観ています。
昔のアニメ故、映像の美しさやリアルな描写は最近のアニメにはかないませんが
大切なことや思いやりを観ている人(子供)に伝えるという点では、今のアニメより格段に上だと感じます。
先日観たのは、第26話『栄光の彼方に』
『覆面ワールドリーグ戦』に参加したタイガーマスクは、ザ・グレートゼブラなる謎の覆面レスラーの助けによって、最終戦のタッグマッチに勝利し、優勝賞金10万ドルを獲得。しかし、逃げるようにタイガーマスクの前から立ち去るザ・グレートゼブラ。彼を控室まで追いかけるタイガーマスク。
そこでタイガーマスクは、謎の覆面レスラー、ザ・グレートゼブラの正体を見破ります。
「どこまでもゼブラで押し通したかったが、ノッポは隠せんなぁ」
そう笑ったのは、タイガーマスクの先輩・ジャイアント馬場でした。
この『覆面ワールドリーグ戦』参加したことで、喧嘩別れの形となった二人。
タイガーマスクは尋ねます。
「何故喧嘩別れしたオレの為にそこまで?」
それに対してジャイアント馬場が答えます。
君は血みどろの天使だからだ。悪魔の仮面を付けているが、その心は天使の優しさを持った人だ。君の『覆面ワールドリーグ戦』を観ていて、オレは思った。人間が10万ドル欲しさにああまで地獄の死闘の連続に耐えられるものだろう? いや、できない! 命あっての金だもんなぁ。
ふと思い出したのは、君が巡業先でいつも土地の施設を訪ねていたことだ。そして『希望の家』という施設にいる盲目の少女が、名も告げぬ人物にたくさんのプレゼントを貰ったことを調べるまでに、さほど手間はかからなかった。
彼女はその人物のことを、神様だと信じているんだよ。未だにね。
しかし君が名を告げていたら、僕は“人気取り”と思ったかもしれん。名を告げぬ行いこそ本物だ。つまりよほど君は孤児の為に尽くしたいのだと僕は悟った。10万ドルは孤児の為だ。君を死なしてはいかん。僕は立ち上がった。
二人のいる控室の外で待つのはテレビ局や新聞社の記者。タイガーマスクは言います。
「先輩、ありがとうございました。さぁ先輩、マスコミの人達に入ってもらって、先輩の美しい心遣いを発表させてください」
それに対してジャイアント馬場はこう答えます。
「そらそらさっきも言ったろう。人間は名を告げぬ、人知れない行いこそ本物だと。“ゼブラ”は謎のまま消えよう」と。
タイガーマスクの“地獄の死闘の連続”こと『覆面ワールドリーグ戦』は、DVD4巻、5巻に収録されています。興味を持たれた方は是非、観てみてください。
ちなみにタイガーマスクが獲得した賞金10万ドル。この時代は1ドル=360円ですから、3600万円もの大金になります。