最近読んだ本です。
- サードウェーブ! : サンフランシスコ周辺で体験した最新コーヒーカルチャー/茶太郎豆央
- ¥価格不明
- Amazon.co.jp
kindle版のみの発売のようですね。
「サードウェーブ」、
すなわち「第三の波」というタイトルですが、
扱っているのはコーヒーの世界です。
今アメリカの西海岸では、コーヒーについて
そんな第三の波が訪れているようです。
著者によればファーストウェーブとは
19世紀後半から1960年代の頃で、
生産や流通が発達したことで
家庭や職場でもコーヒーが一般化した
フェーズを指しています。
このときのキープレイヤーはネスレなど。
そしてセカンドウェーブとは
1960年代~2000年頃であり、
それをリードしたのは間違いなくスターバックスです。
コーヒーの味のレベルが高まるとともに
ラテという飲み方が広まります。
同時に、ファッションアイコンとしても
コーヒーが機能していきました。
しかし、2000年頃から
そんなスタバ路線とは一線を画する
新たな波が起きているのです。
* * * * *
(引用ここから)
ファースト、セカンドと、
いずれも大量流通と大量焙煎を前提とした
ビジネスモデルを確立することで、
コーヒーを日常のものとし、
大量消費の市場を作りました。
しかしその裏で、生産地への配慮や価格、
そして消費国における税務等の社会的責任
といった問題が指摘されるようになります。
特に2000年ごろ、セカンドウェーブの
代表格であったスターバックスに対して、
コーヒー豆の仕入れに関するフェアトレードの問題から、
セカンドのオルタナティブの気運が生まれます。
こうして新しいビジネスとカルチャー
一体でデザインされたのがサードウェーブです。
少量流通も可能にするカップまでの
トレーサビリティ、生産地と持続可能な関係作り、
味の価値観の流通、ローカルでの焙煎、
新しいロースター・カフェの空間の提案といった
新しいスタイルが次々と確立されました。
(引用ここまで)
* * * * *
サードウェーブ系のカフェでは
豆の産地やフェアトレードなどにこだわり、
自らあるいは近所の焙煎所でこまめに焙煎し、
お客ごとに都度一杯ずつ抽出する、
そんなスタイルが中心です。
ブランドとして大きく展開する
「ビジネスモデル」を志向するのではなく、
生産者、消費者、そして自らが
長期にわたって繋がっていける
新しい生態系をつくっていこうとしている
という感じでしょうか。
このあたり、感度の高い人ならば
とっくにご存知の流れでしょうし、
本書にはそれほど重要ではない
店舗紹介なども書かれているものの、
時代の「価値観の変化」をなぞるには
とても面白い本だと思います。
* * * * *
ちなみに、
こうしたサードウェーブ系の流れを
サポートしている一人が
ツイッターの創業者の一人である
ジャック・ドーシー氏です。
彼が新たなビジネスとして
アメリカで立ち上げた決済システム
「スクエア」がちょうど日本に上陸するところで、
今日も都内でイベントをやっています。
(サードウェーブのカフェでは
このスクエアを使った決済が多いようです)
縁あって、スクエアの上陸に関して
ほんの少しだけお手伝いしています。
iPhoneやiPadなどのモバイル端末を
簡単にクレジット決済端末に
早変わりさせてしまうスクエア。
意外とすぐに日本でも定着するのでは?
と感じています。
ぜひ注目していてください。