前回、大東亜戦争時の日本軍による占領が、リークアンユー氏にとってトラウマで、
性悪説に立ち、法律で律することで秩序を維持する、という彼の政治信条に大きな影響を与えた、
と述べました。
リークアンユー氏は著書の中で、日本軍が占領下において、華僑に如何にひどい仕打ちを
したのか、何度も何度も述べます。
*通行人をいきなり鉄砲で打ち付けたり、海岸に中国人を並べて銃殺したり、等の描写含む
また、こうも述べています。
「日本軍がマレー半島をシンガポールに向かって進軍していく中で、マレー人やインド人には
比較的寛容だった。中国人に対する扱いがとにかく酷いものだった」
私はここで、「そんなのは嘘だ!!」とか「日本人は清廉潔白だった!!」などとは主張しません。
著書を読む中で、何故中国人だけが酷い仕打ちを受けたのか、リークアンユー氏は
理解できていないのかな、と思いました。
日中戦争で、日本軍は、便衣兵(一般人を装った服装の兵士)に非常に苦しめられていました。
何しろ、戦争では、基本的に軍服を着た兵士がドンパチするのであって、一般市民を見境なく
殺す、というのは認められていません。
所が、一般市民と思って油断した所へ、いきなり銃を出されて攻撃されるのですから、それは
もう兵士だか何だかの区別が付かなくなる訳です。
そういう経験を踏まえ、中国人には用心を重ねたのだと思います(最大公約数的なアクションを
取らざるを得ない→対応が厳しくなる)。
リークアンユー氏はやはり中国人、基本的に中国本土の歴史認識に近いようです。
そこは相容れないにしても、戦後の日本の高度成長期における日本人の勤勉さ、モラルの高さ
には最大級の賛辞を送っています。
それはそれ、あれはあれ、ということで日本から素直に学ぼう、という姿勢に変わる訳ですね。
こういう変わり身がさっと出来る所が流石だな、と思いました。
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ところで、尖閣諸島をめぐる日中の争い(?)。
私の予想通り、遂に、沖縄も中国の領土なんだ、という論調まで中国側から
出るようになりましたね。
こちらが引けばどんどん押してくる、こちらが押しても押してくる、中国とはそういう相手です。
今日本でこの話題を引き金に、真剣な国防とは?と議論及び準備は進んでいるのでしょうか?
遠いマレーシアから、日本で議論及び政治的な動きが盛り上がり、早く実効のある戦略を
立案し実行できるよう祈っています。
靖国、全国の護国神社の神々よ、どうかお力をお与えください。