甲状腺機能異常は月経不順不妊、流産、早産と関連があります。そのため不妊のスクリーニング検査に入っています。

 

 

甲状腺の病気は女性が男性に比べ5-15倍も頻度が高く、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の好発年齢は20~40歳と常に妊娠との問題に関わっているのです。

 

 

甲状腺機能を検査する際は、まず甲状腺刺激ホルモン(TSH)甲状腺ホルモン(FT4)を血液検査で測定します。そして下記の診断をつけます。

 

 

甲状腺機能正常→TSHが正常範囲、FT4が正常範囲

 

 

甲状腺機能亢進症→TSHが基準値以下、FT4が基準値以上→専門医へ、検査・治療

 

 

甲状腺機能低下症→TSHが基準値以上、FT4が基準値以下→専門医へ、検査・治療

 

 

潜在性甲状腺機能低下症→甲状腺ホルモン(FT4)が正常範囲内かつ甲状腺刺激ホルモン(TSH)が基準値以上

 

 

甲状腺機能異常はスクリーニング検査により5%程度以上検出されます。その大部分が潜在性甲状腺機能低下症です。潜在性甲状腺機能低下症は軽い甲状腺ホルモンの低下のことを言います。

 

 

ある文献では潜在性甲状腺機能亢進症の出現頻度は不妊女性で11%と報告されており、不妊症の原因となっていることが伺われます。

 

 

潜在性甲状腺機能低下症と診断された場合の治療方法は甲状腺ホルモンの投与を行います。

 

 

不妊症の方で潜在性甲状腺機能低下症と診断された方は甲状腺ホルモンで治療しておいた方がいいですね。

 

 

さらに妊娠をすると、母体の甲状腺ホルモンを胎児が必要とするため、妊娠前から甲状腺ホルモンが不足していた場合、胎児の成長発育にも何らかの支障が起きるかもしれません。

 

 

また不育症の原因の一つに、甲状腺機能異常もあるため、不妊検査で一度はチェックをしておいた方が安心でしょうビックリマーク