5月28日生まれ
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
1925年の今日5月28日は、ドイツが生んだ偉大な
バリトン歌手、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの生誕日です。
特に、ドイツリートの作品を多く残していますが、
オペラや宗教曲もこなす広いレパートリーをもっていました。
ビロードのような美しい声に、知的な解釈の歌は、多くの人々を魅了し「20世紀最高の歌手の一人」といわれます。
私は代表作のシューベルトの『冬の旅』などももっていますが、彼がイタリアオペラをドイツ語で歌ったCD2枚組のアルバムをもっています。本当に聞き惚れる歌声で
ヴェルディの『リゴレット』の父の心情を歌ったアリア
「悪魔め、鬼め」、
宗教弾圧をオペラオペラ『ドン・カルロ』のロマンス
「終わりの日は来た」などは私のお気に入りです。
彼は3人兄弟の末っ子として生まれましたが、真ん中のお兄さんが障害を抱えていたので、彼を楽しませようと歌を歌ったそうです。
その兄は、戦争中に、彼がドイツ国防軍に召集され従軍しているあいだに、障害者施設で飢え死にしました。戦争中は障害をもつ人間には人権などなかったですから。
五体満足な人間も学業半ばで召集されて戦死したり、空襲にさらされたり、全ての人間に人権がなくなるのが戦争というものです。
戦争の種は人の心のなかにあります。
寛容の心こそが大切なものではないでしょうか。
では、彼の命式をみてみましょう。
1925年5月28日生まれ
干支 蔵干 通変星 12運
年 乙丑 己 傷官 正官 衰
月 辛巳 丙 印綬 偏財 絶
日 壬子 癸 劫財 帝旺
「壬子」の生まれです。「水」の徳は「智」です。
クールで知的な人でした。
天干の通変星には、「印綬」と「傷官」と才能の星が並んでいます。
彼は、絵を描いたり、カットグラスを収集したり、美しいものを愛し、優れた美的センスをもっていたようです。
「印綬」をもつ人は、教育関係の仕事もあっています。
彼も、1983年からは、ベルリン音楽院で教鞭をとって、後進の指導にあたりました。
「壬子」の人は、12運が帝旺なので、確固とした自我をもっています。
また「偏財」があるので、人当たりが良く、コミュニケーション能力がすぐれている人です。責任感が強く、品行方正な立身出世の星「正官」もあります。
つまり、「財・官・印」が揃ったとても素晴らしい命式ですね。