ジェラール・フィリップの命式

 

私は宝塚歌劇のファンなので、時々、専門チャンネル、

タカラヅカ・スカイ・ステージを契約して見ています。

で、昨日撮りためた野口幸作先生の作品、雪組公演『ODYSSEY』を見ていたら、ジェラール・フィリップ(Gérard Philipe)へのオマージュの場面がありました。

 

野口幸作先生は、宝塚の演出家でとても才能のある方で大好きな先生です。

『ODYSSEY』もなかなか見応えのある作品でした。

その中で、フランス俳優ジェラール・フィリップへのオマージュ場面がありました。

 

私は大学時代、第二外国語でフランス語を学びました。

学生時代に、勉強も兼ねて、戦後間もない白黒の古いフランス映画を沢山見ました。その中には、彼が主演した作品も数多くあり、とても魅力的な人だと興味を持ちました。

 

私が生まれた年にはもうこの方亡くなっていたのですが、

彼の死後奥様が書いた本『Le temps d'un soupir(ためいきのとき)』を読みました。

当時は訳本も出ていて、訳本片手に読んだのですが、意外に読みやすいフランス語だった記憶があります。彼女の夫への愛情がとても伝わる本でした。今はもう手元にないです。何時処分したのかも覚えていません。

 

でも学生時代の思い出というものはいつまでも色あせないものですね。

 

ジェラール・フィリップは、1922年12月4日に、フランスのカンヌで生まれました。フランス屈指のイケメンスターとして有名になり、さまざまな映画作品に主演しています。

1952年に5歳年上のジャーナリストだったアンヌ=マリーと結婚しています。

ナポレオン・ボナパルトやマクロン大統領など、フランス人って年上の奥様多い印象があります。ジェラールは奥様のことを尊敬していて、夫婦揃って共産党を支持し、核兵器廃絶活動などをしました。

来日もして、日本でも著名度の高いスターでしたが、銀幕の彼しか知らない人が多かったのではないでしょうか。

日本人は俳優さんは、政治的な信念を表明する人は少ないですから。スポンサーや事務所とのしがらみなどもあるでしょうし。

フランス人は、はっきりと自分の政治的な立場を表明します。

彼は、銀幕のスターでしたが、映画スターとして成功を収めた後も、ギャラの安い国立民衆劇場の舞台に立ち、「ル・シッド」などの古典劇を演じました。

一方で、俳優組合の委員長として、演劇界や映画界で働く労働者の待遇改善にも力をつくしました。

俳優になるまえ学生時代は法律を勉強していたようですし、奥様も知的な方ですから、社会のあるべき姿に理想をもっていたようです。

 

来日した際、日本映画に興味をもって作品を鑑賞して、日本映画をフランスで紹介しています。

その時のエピソードとして、親切心から映画の進行に合わせて通訳が横でフランス語で説明していると、

彼は、「C'est pas la peine, mais merci(ありがとう、でも結構です)」と言ったそうです。

わたしは、せっかく説明してくれているのに、そっけない印象を受けました。

映画を言葉ではなく感覚で受け止めようとしたのでしょうか。

 

あまり社交的な人ではなかったようですが、友人や奥様に対してはとても誠実な人だったようです。

36歳の若さで亡くなっています。

 

彼の命式をみてみましょう。

 

ジェラール・フィリップ(Gérard Philipe)1922年12月4日生まれ

 

  干支 蔵干  通変星  12運

年 壬戌 戊  偏官 食神 墓

月 辛亥 壬  正財 偏官 絶

日 丙午 丁     劫財 帝旺

 

丙午」生まれの方です。

「丙」の人の象徴は「太陽」。華やかさをもったタレントタイプの人です。

スターにぴったりですね。

「丙午」は、12運が帝旺となるので、自己実現型の人です。

集中力とカリスマ性をもっている人になります。

「丙」の人には、自分の感情を隠しておけない、感情のコントロールが苦手な面があります。自分の感情に素直な子供っぽい面があるのだと思います。

なので、上記のエピソードの時も通訳への配慮より、

自分の日本映画を感覚で捉えたいという欲望を優先したのでしょう。

 

歌舞伎役者で『鬼平犯科帳』などでテレビでも活躍した中村吉右衛門さんも「丙」の人でしたが、この方も「金比羅歌舞伎」に出演したとき、舞台装置の操作に携わっていた人たちの不手際をしかりつけたことがあったようです。

しかし、その後、その人たちが「金比羅歌舞伎」を成功させようとボランティアで働いていたことを知り、謝りにいったというエピソードをテレビ番組で見たことがあります。

「丙」の人は子供の魂をもっていて、自分の感情を優先するところがあるのです。しかし、行動に裏表がなく、人々を照らす太陽のように、人々の役に立ちたいという思いが中心にある人です。

 

一方で、命式に二つ「偏官」があります。「偏官」は軍人の星で、行動力があって、正義感が強く、親分肌な面があります。

見た目エレガントな感じの人でしたが、激しいものをもっていたのかもしれません。

正財」もあるので、細かいことに気がついて、奥様思いの面があります。

 

21歳から31歳の間は、十年運で「寅」が巡り、命式の「午戌」と合わせて三合火局を構成します。「火」の勢いが強くなり、自分のやりたいことを表現できる10年間だったようです。