「寛容」ということについて考えて見る
ついこの間まで、TBS系で放送されていた、
宮藤官九郎が脚本を手がけたドラマ
『不適切にもほどがある!』
は結構話題になっていたように思います。
私は、最近、連続ドラマというものをほとんど見なくなっていました。でも宝塚歌劇が趣味なので、退団された女優さんが出ていらっしゃる番組は、たまに見ることがあります。
何回目かの回で咲妃みゆさんがゲスト出演されていたのをきっかけに見るようになり、結局最終回まで視聴しました。
物語は、昭和の体育教師が、令和にタイムスリップしたことからおこる騒動を描いています。令和で自分の孫にあったり、自分の運命を回避するためになんとかしようとしたり、タイムスリップという設定は面白いですね。
この作品は、特に、令和のいまから思えばいろいろ
「アウト!」なことがまかり通っていた昭和と、
コンプライアンスでがんじがらめの令和を対比することで、両者の社会を風刺しています。
「昭和」という時代にも問題は満載でしたが、
令和で私たちが感じている「生きにくさ」を
あぶり出していてとても面白かったです。
最終回では「寛容」の大切さが描かれていました。
「人を呪わば穴二つ」という諺があります。
日本の陰陽道や、密教などや、西洋の黒魔術のようなものなど、人は昔から「敵」を呪うことをしていました。「丑の刻参り」というのもありますね。
「敵」を呪う時には、自分も呪い殺されることを覚悟しなければならないということから呪う相手と自分の分の二つの「墓穴」を掘る必要があるという諺です。
この諺は、人を呪うようなことはよくないので、戒めとしてつくられたものだと思っていましたが、近年、このことは「脳科学」によって裏付けされているということが分かってきました。
どういうことかというと、人に対して悪口をいうとき、
深層心理では、「誰々は」という主語にあたる部分が欠落した状態で、脳に記憶され、蓄積されていくというのです。
なので、人のことを呪っているつもりが、そのまま自分自身を呪うことになるのです。
人に毒を吐いた結果、自分自身を呪い殺すことになるというのです。
逆に、人に対して感謝したり、ポジティブな気持ちをもつと、それは「自己肯定感」につながり、自信が増し、免疫力が上がり健康になるのです。
「ありがとう」は魔法の言葉と言われる所以がここにあります。
私が大好きな宝塚歌劇作品に『ソルフェリーノの夜明け』という作品があります。
これは、赤十字思想誕生150周年を記念して、日本赤十字社の後援のもと、植田紳爾先生が作・演出された作品です。
2010年に水 夏希さんと愛原実花さん主演で雪組で公演されました。
1859年、イタリア独立戦争において、ウィットーリオ・エマヌエーレ2世とフランス軍との連合軍と、オーストリア軍が戦った戦いを舞台にしています。この戦いで両軍4万人近い死傷者を出しています。
スイスの銀行家アンリ・デュナンは、この戦いの悲惨さを見て、『ソルフェリーノの思い出』という書を書き、それが赤十字社の結成につながりました。
アンリ・デュナンを水さんが、侵略者オーストリア兵に両親を殺され、恨みを抱くイタリア人の看護師を愛原実花さんが演じられました。
この作品の中で、最も印象的だった台詞が愛原さんがいう「ゆるすということはどういうことかを考えてみたいとおもいます」という台詞です。
人を憎み、呪って苦しみぬいた末に、自分自身を救うために出した彼女の結論に涙しました。何度見ても泣ける作品です。
いま、世間ではSNSをつかった誹謗中傷や、ネットリンチが溢れています。
そういう世の中だからこそ、「寛容」ということについて考えてみたいものです。
今日は『不適切にもほどがある!』の脚本家、
宮藤官九郎さんの命式を見て見ましょう。
宮藤官九郎 1970年7月19日
干支 蔵干 通変星 12運
年 庚戌 戊 比肩 偏印 衰
月 癸未 己 傷官 印綬 冠帯
日 庚子 癸 傷官 死
「庚子」生まれの方です。
「庚子」の人は、頭脳明晰で強い意志力をもった人です。
また、日の通変星が、「傷官」になります。
「傷官」も大変頭脳明晰な上、芸術的な感性をもつ人です。
12運「死」はストイックにとりくむ人。
月柱にも「傷官」をもっていらっしゃいますので、本当に頭がよくて才能豊かな人ですね。
ほかの柱に「印星」「比肩」があるので、自我が強く研究熱心な人でもあります。