太平洋側の沿岸部には、そのような町が少なくない。
三重県南東部の鳥羽市は'12年、内閣府の発表により南海トラフ巨大地震による最大津波予想高が24.9メートルから27メートルに引き上げられている。
「それまでは“揺れが来たら逃げろ”と呼びかけてきたが、答志島など離島内の道は非常に狭い。それらが家屋の倒壊などで塞がれる可能性が高いため、他の避難路を探したり、高台までは手すりを設置するなどの対策はすでに取っているが、被災後に流出した住民が戻ってくるかどうかは分からない」(鳥羽市関係者)
三重県の志摩市にも最大26メートルの津波が押し寄せるとされ、高台のない低地部には避難タワーの建設や土盛りをした「命山」の築造も検討されている。さらに、被害想定を反映したハザードマップを作成して各戸に配布しているが、人口流出の対応策となると、お手上げなのだ。