昨年は公私の公の部分でいろいろと忙しく、あまりブログが書けなかった。今年はもう少しまめに更新したいと考えている。ただ忙しいとはいっても、きちんと原稿は書いていてすでに推敲の段階に入っている。今年の冬は海外に行かなかったので、比較的のんびり過ごせた。

 この正月の思い出といえば、高村薫さんの『冷血』を読了したこと。最後の一行を読み終えた瞬間、切なさがこみあげてきた。そして「高村さん、ありがとうございました。こういう素晴らしい物語を書いてくれて」と大阪に向かって合掌してしまった。読者にそう言わせてしまう希有な作家だと思う。もっともっと高村さんの作品を読みたいが、いかんせん高村さんは一つの作品にとにかく時間をかける。だからこそはずれがないのだ。次回作は三年後ぐらいなのかな。

 それにしても高村さんのあのディテールのすごさは健在ですね。