新邪馬台国伝説宇宙編18
マークの宇宙船は暗黒の宇宙空間を進んでいましたが、突然船が停止し動けなくなってしまいました!
懸命に動かそうと前に後ろに右に左に操縦桿を操作しましたが、まったく無駄でした!
「これはどうしたことだ!ぜんぜん動かんぞ!ロケットの噴射は続いているから燃料切れでもない?…。いったいどうしたらいいんだ?」
「船長!ワープをかけて脱出を試みたらいかがでしょう?」
「それはだめだ!ワープをかけるには、前方数光年以内に星などの障害物がないことが条件だ!
見ろ前に赤い星が見えている!あの星まではせいぜい50億kmぐらいの距離しかない!このままワープすれば赤い星の内部に捕らわれてしまう!」
「ひょっとして、船が止まったのはあの星が原因ではないですか?」
「それは今のところなんともわからん。あの星が原因なら船は引き寄せられるはずだ!」
そのときマークの船の右方向に別の宇宙船が現れました。
「御覧なさい船長!あそこに船が見える!助けてもらいましょう!」
ところがその船はマークの宇宙船を攻撃してきました!
「バカめ!宇宙空間の墓場に捉えられおったぞ!その場所は引力の均衡した場所なのだ!上下左右すべての方向に引っ張られるのだ!
並みの宇宙船の動力では脱出できん!
そのままほっておいても宇宙船は船体を引きはがされて分解してしまうだろう!
ほっておいても貴様らは死んでいくだろうが貴様らには海王星での基地を壊された恨みがある!これでもくらえ!」
更にマークの宇宙船に攻撃を加えてきました。
しかし光線砲は周りの星の重力に曲げられて当たりません!
なんと、謎の宇宙船はカリュスト派の乗った宇宙船でした。
そんな事とは知らぬマークの宇宙船内は大混乱に陥っていました!
「うわー!なんだあの宇宙船は?いきなり攻撃してきたぞ!
ただでさえ全く動けん状態なのにどうしたらいいんだ!」
攻撃はしてきたもののあまり正確ではなく今のところは1発も当たっていません。
「船長!こちらも攻撃しましょう!」
「それは構わんが、あいつらを追っ払ったとしてもここからは脱出はできんぞ!」
マークは困り果てていました。
「そうだ!奴らを攻撃して打ち負かし、逃げ出したところで、奴らの船体の後部に錨をぶち込み奴らの船の力も借りて脱出を試みてはどうでしょう。」
コウユウが言いました。
「無駄かもしれんがやってみよう!」マークが言いました。
試しにこちらから攻撃を仕掛けると弾はまっすぐ進みカリュストの船に当たり始めました。
やがて堪らなくなったカリュスト達は逃げ出し始めました。
「今だ!錨を撃て!」
発射去れた錨は見事にカリュストの船に当たりました。
同時にマークの船も動き始めました。
しばらくひっぱられていくとカリュスト達も気が付きまた攻撃をしてきました。今度はマークの船に攻撃は当たり始めました。
「錨を放せ!すぐにワープをかけろ!」マークの船は消え始めカリュスト達からは見えなくなりました。
「くそ逃がしたか!まーいい!次にあった時がお前たちの最後の時だ!」
マークの宇宙船は数光年先の空間に姿を現しカリュストから逃げ延びました。