ササユリは本州中部以西に分布する、関西地方では山に生えるユリの多くがササユリとの事ながら乱獲や人の手が加わらない事で自生することが無く絶滅の地域もある。少なくとも関西地方に居ても見たこともない。他方今の富士山麓にはヤマユリが自生している。知人などは戦後の食糧難の時はヤマユリの球根を掘って食べた位に沢山自生していたとの事。

ヤマユリは近畿から東北地方で自生していて東西ですみ分けているように思えるがどうでしょう。

そのササユリを祭神に供えて神事を執り行うのが大神神社の摂社・率川神社(いさがわじんじゃ)の三枝祭り、興味のあるササユリを見に行きました。三枝(さいくさ)はササユリの古称で祭神が三輪山を源流とする狭井川のほとりに住まいされて居られたとか。そこはササユリが群生していたので往時より祭神にササユリを供えて来たと言う事です。

しかしながら、肝心のササユリが環境の変化や乱獲で入手が困難になり今では講社の方による人工栽培が行われている。

昨今の地球温暖化からしてもこのゆりまつりが行われる6月17日にはユリそのものが開花も早まるし三輪山の麓から奈良市内まで電車で運んで来るまでには維持できなく成るのではと思ってしまうが、起源が大宝令まで遡るこの祭り自体も難しいか?

 

その率川神社の比較的近い所に最古の老舗「純正」の奈良漬屋の今西本店がある。奈良の奈良漬の殆ど(全てではない)が実は海外で作られた物との説明で驚きました。

今西本店のパンフレットには「本場の奈良漬の根源である元祖製造元として江戸末期、奈良三条通りに開店以来かたくなな迄にその製法を守り続けています。

その製法とは味醂等は用いず、ましてや人工甘味・人工着色・合成保存料等は一切使用せず、最低でも三年、最長十九年もの長きにわたり酒粕に漬け込むというものです。(略)今日「奈良漬」の名称で一般に流通している品々と比べますと色は黒く水分含有量も少なく味も人工的な甘未は御座いませんが云々  一つ一つが手作りの手間暇かけた芸術品のようなものですので「果たしていつまで続けられるものかと思っております。」

本物は味わわなければ成らないでしょう。一般に食べられている奈良の奈良漬は、Made in〇〇と言う事ですから。

ゆりまつりに行き今西本店に伺いいい勉強して来ました。

 

我が家のササユリ。葉っぱが笹の葉に似るからササユリです。開花は6月2日。ゆりまつりより早いです。

率川神社ゆりまつり案内看板

神前に供えられるササユリ。

別に置かれたササユリ

案内ちらし。

純正奈良漬

賞味期限は何も無しで2年は大丈夫。無添加。

酒粕と共に包装されています。

中味は真っ黒。食べる分の酒粕を洗い、切ってから冷蔵庫で4~5日置いておくとお酒の気が落ち着いてから食べるようにとの説明書きが付いています。

洗った状態。アルコールが苦手な私でもこの奈良漬は美味しいと思います。

まだ賞味していない20年物のショウガの奈良漬

同上