ビオラ。



今はお骨になってしまいました。


大好きだったおもちゃと

病院の行き帰りに見ては喜んでいた花達

紅葉が始まった時に、目を輝かせて

「ねえ、見える?見てみて」

そう言わんばかりに

私たちを振り向いてくれたビオラのために

娘が拾ってきてくれた、銀杏の葉。


ビオラのヒゲと毛と爪を

少しもらって入れた缶。


缶を探しに行ったら

丁度黒猫の缶が見つかったのです。


ビオラが教えてくれたのかもしれないです。







もう、2週間も経ったのですね。




まだ、ビオラの写真を見る事が出来ません。


ビオラを火葬をしていただいたら、

お骨が真っ黒なもやもやに包まれていました。


「癌だったんですね。

胸に大きなのがあって、腎臓にも」


そう、言われました。


癌の可能性は言われていましたが

心臓も腎臓も悪く

手術等は難しいとのことで、

検査はしていなかったのです。




ビオラがあんなにも痛がっていたのも、当然だったのかもしれません。


それでもビオラは最後まで

立てない足で立とうとし

立てない自分に怒り


痛みに鳴き叫びながら

最期の一瞬まで生きようとしてくれた。



ビオラ。



私が、

骨壺を抱いては撫でているので、

これではあまり良くないよねと、


黒猫のぬいぐるみを買いました。



娘は、黒猫のぬいぐるみを撫でながら

卒論を仕上げました。


私は、黒猫のぬいぐるみと眠ろうとして


「違う。ビオラじゃない。

動かない。ビオラじゃない」と

怒ってしまって。


娘に諭されました。


「ビオラじゃないよ。この子はぬいぐるみだよ」


それでも、私はつい

ぬいぐるみを抱いて

眠っています。






同じ部屋で今、

娘がしばらく一緒に眠ってくれています。



あれから

友人達が、いろいろなものを贈ってくれました。


本を、私の好物の食べ物を、花を。


ありがとうございます。

本当に、ありがとう。


温かい気持ちが伝わってきて

とても嬉しいです。




ビオラが旅立った日に

わんわん泣いて。

無茶苦茶泣いて。




それから、ピタリと涙が止まってしまっていました。







猫の譲渡会にも行ってみました。




むぎが、


ものすごく寂しがっていて、かわいそうなのです。


むぎは、亡くなったビオラを見ているはずなのに、

ビオラを火葬した後から

ずっと、ビオラの帰りを待っていました。


ビオラは、帰ってくるよね?

ビオラは病院なの?


そんなふうに。


先週

私たちが、ビオラの寝床やトイレを片付けたら


むぎがものすごく怒って

家中を泣きながら走り回りました。


そして、元気がなくなってしまって

ひどく人間に甘えるようになりました。



とても、寂しそうです。



猫の譲渡会に行っても



私はビオラの影を追ってばかりいるので

やめました。



本当に、大事な猫でした。


本当に、大事な家族です。


昼間は、やる事がたくさんで

考えることもいっぱいあって



でも、夜のこんな時間くらいは、


ビオラを思い出して

少し泣いてもいいよね。


ビオラ

もう痛くないね。

苦しくないね。


ビオラ

歩けているね。

走っているね。

ジャンプだって、出来ているね。


大好きなネズミのおもちゃ

そっちにもあるといいな。


お腹いっぱい食べれているよね。

もう、ご飯も食べられるよね。



お花も、咲いているよね。


ビオラの好きな青空も

夕焼けも

鳥の声も


きっと、そこにあるね。


ビオラ、幸せ?


ビオラが幸せだったら嬉しいな。