楽しく環境問題を考える 「手食でエコ」始めました! | 大阪で生まれたおっさんやさかい。

楽しく環境問題を考える 「手食でエコ」始めました!

毎日新聞@きょうとから引用


今の世の中、右を向いても左を向いてもエコ、エコ、エコ。

テレビや新聞で、エコという言葉を聞かない日はない。

空前のエコブームの中、誰にでも無理なくできる環境保全活動として、「手食(てしょく)」に注目する。「マイ箸」ならぬ「マイハンド」。

使い捨て割箸の使用を減らすという点で両者は同じだ。手食で「楽しく」エコに挑戦する。


大学のキャンパスでも割箸が毎日大量に消費されていく。

大阪大学の食堂では、割箸とは別にリユースの箸が用意されているが、アンケートをとってみると、9割の学生が割箸を使うという結果になった。

ある学生(23)は「リユースの箸は汚く感じる」と理由を語る。
学内にマイ箸を持参する学生もほとんど見当たらない。

マスコミで報じられるマイ箸ブームとの隔たりは大きく感じられた。

楽しく割箸の使用を減らす方法はないだろうか。おにぎりをほおばる学生を見て、思いついた。 「手食でエコ」だ。


手食といえば、インド人がバナナの葉に盛ったカレーを手で食べる光景を思い浮かべる。

東南アジアや中東、アフリカを中心に世界人口の40パーセントが主に『手』を使って食事をしているほどだが、日本人には馴染みが薄い。

手食文化で育った外国人に教えを請うてみた。


アブドゥルさん(30)はバングラディシュ人留学生。

来日後は大抵箸で食事をしているが、「カレーは必ず手で食べる」とこだわりを見せる。

アブドゥルさんにカレーを手で食べる方法を教わった。
ご飯、カレー、スパイス類、肉。指先でごちゃ混ぜにして一口大にし、口に運ぶ。

混ぜ方で味や食感が変化するという。


手食 アブドゥルさんと筆者


誰にでもできるだろうと思っていたが、やってみると意外に難しい。

まず、ご飯の温度を指先で感じる。慣れるまではとにかく熱くて触れない。

冷ましてから口に入れようとしたが、指にまとわりつくご飯に悪戦苦闘の連続だ。
アブドゥルさんにうまく食べるコツを聞くと、人差指と中指の腹にご飯を乗せ、親指の爪で押し出すように口の中に運ぶのだそうだ。


手で食べてはいけないと教えられて育ったためか、やってはいけない事をしているような感覚を得る一方で、食べ物の「触感」がとにかく新鮮に感じた。

うまく食べることのできないもどかしさ、食後に指先に残る香りも楽しい。
すっかり手食の魅力に取り付かれた私。

カレー以外も手で食べることに挑戦だ。カツ丼、サラダ、麻婆豆腐、うどん。

学食のメニューを『手』で平らげていく。


手食   手食
焼肉丼をほおばる筆者     麻婆豆腐と筆者

炒飯など米を使ったメニューは、教えられた要領で簡単に口に運ぶことができるが、問題は汁気の多いメニューだ。

ラーメンなどの汁物は火傷をするほど熱く、手で食べるにはあまりにも困難。

食事は熱々のまま食べる日本で、手食に向いていない料理が多い。

汁物は無理をせずリユース箸で食べることにした。


手食 とにかく気合!うどんを食べる筆者


大勢の学生が集まる食堂。「手」を使って食事をしていると、とにかく目立つ。

「なんで手で食べているんですか」複数の学生に聞かれ、「エコの1つとして、手食をしています」と答える。笑って去る人ばかりだった中、実際に手食に挑戦した人がいた。

クレイジー神戸女学院さん(23)だ。

「手で食べると、道具を使うよりも『生物らしい』感じがした」と感想を語る。


手食            手食

クレイジー神戸女学院さん       フィンガーボールのように味噌汁を食べる


日本の食文化において、手食を普及させることは難しい。

しかし地味な活動は続けてこそ意味がある。この記事を読んで興味が沸いた人は、勇気を出してまずはカレーから手食に挑戦してみることを勧める。マジで