心に残る名言集 5 「パン貸して。」
お前のものは俺のもの。俺のものも、俺のもの。
うちの研究室にはジャイアンがいる。
自分勝手で、大飯喰らい。
といっても女性なんですが。
彼女の剛田武っぷりに、わが研究室は常に振り回されています。
「シャーペン貸して。」
「ケータイ貸して。」
「デジカメ貸して。」
彼女は一日一個、人の物を横取りしないと気が済まない。
雨の日、傘をさそうものなら「それ、私の傘ちゃう?」と言って奪われる。
最近はおそろしくて、ジャイアンに近づけない日々が続いています。
彼女の家に遊びにいったことがあるが、人から借りパクした数々の逸品を自慢された。
スーパーファミコン。漫画。雑誌。
おまえは小学生か。
といってもこのジャイアン。
実は気が弱くて、「返せ」と言われればおとなしく返す心優しきジャイアンなのであります。
ある日、腹の減ったジャイアン。
あまりの空腹に耐えかねたのか、
研究室でメロンパンを食おうとしていた僕に向って、血迷ったことを言い出しました。
「パン貸して。」
このやろ。
何でも「貸して」と言えば済むと思ってやがる!
と、ムカッとした次の瞬間には、もうメロンパンは僕の手元にはありませんでした。
メロンパンを無心でむさぼるジャイアン。
さながら肉にむさぼりつくピラニアのようです。
くそ!
このままだとジャイアンになめられたままだ。
「おい、『貸して』って言ったからにはちゃんと返せよ!」
研究室ではのび太のような存在の僕ですが、言い返してやりました。
ざまみろジャイアン。
しかし翌日、返ってきたのは食パン。
袋から出され、干からびた1枚の食パンでした。
このくされ外道が。