パフェにカレーぶち込むなって教訓のことやね。
久しぶりのブログではあるけど
読者には大体今回の話が分かってもらえてるだろうから、この場では詳しくは説明しない。
津々浦々四六時中必ずどこかで起きているだろう陰キャたちの悲しみ
コウタもあくまでその悲しみに包まれた小石の一欠片しかない。
だから今日はその津々浦々有象無象のほんの一欠片の小石の
恨み辛み悲しみ妬み負け惜しみを
書き連ねることにしよう。
まずコウタね、当日この時間に起きたのよ
あのコウタが、起きられた!!!!
その喜びだけで飯がいくらでも食える。
その辺のアニメの第1話にありそうな
「今日は良い日になりそう!」
って予感が胸を刺した。
で集合場所にもちゃんと間に合いました。
もうワックワク。
今日はもうみんなで楽しむ!
そして後ろから「岡田くん?」
希望にまみれて後ろを振り返る、その瞬間
あ、オワタ
ピアスだよ。茶髪だよ。
靴とか絶対ウン万行くやつだし、女の子とかメイクゴリゴリでSNOWじゃん。
俺がチョキなら、他の3人全員グー👊
そっからもう記憶ない。
と言いたいところだが、人間、嫌な記憶はクッキリ残るように出来てるんですね。
よく分からんファッションブランドの名前にあてがう、全力の作り笑顔。
会話の弾み始める3人。
その3人と濃厚接触を避けるかのように2mの距離を保つ僕。
作り笑顔は崩さないまま。
おっと、会話から外れすぎると向こうに気を遣わせてしまう。
だから定期的に頷くことだけは忘れない。
作り笑顔は崩さないまま。
助けてよ、ママ。
気を遣わせちゃったのかな。
1人の女の子が会話から抜け出して僕に話しかける。
自然な表情で応えよう。
あれ、ほっぺが引きつって、作り笑顔が戻らない。
仕方ないから、そのまま答える。
いつものコウタの話題なんて出せるわけないから、全く当たり障りのない「岡田こうた」を使う。
サルでもできるような
「うん」「ハハハ」「それな」
が交錯する。
もう1人の女の子が話しかけてくれた。
心の底で渦巻くのは
「あぁ、この子は僕に合わせてくれてるんだ。申し訳ないな。」
っていうとんでもなくドス黒い劣等感。
会話は楽しいはずなのに、胸がキリキリ痛む。
自分の負の部分だけがドンドン浮き彫りになる感覚。
自分は自分の良さを理解しているつもりだ。
普通の人にはあまりない人間性を持っているつもりだ。
その個性を鎮めに鎮め、ほんの上澄みの、微妙な臭みと苦味が残った、ホコリが浮かんでるクソまずい水を飲んでる。
自分がみるみる、嫌いになる。
「宅飲みしよ〜や笑笑」
「岡田くんも!」
「え、あ、おれは酒は、」
「え、酒飲んだことないん!?」
当たり前だカス殴ってええか?
「大阪って○○で○○やねんで!」
出た、大阪出身マウント。
過剰。この男嫌い。
「それな〜」
邪魔にならないギリギリの声量で合いの手を入れる僕。
一日中この声量コントロール。
喉が自分のものでは無いかのような錯覚を覚える。
いや、喉だけじゃないな。
表情、背筋、歩くスピード、声色とイントネーション、言葉選び。どれをとっても自分の意思ではコントロールしていない。
自分が自分ではない。
プライドと恐怖心が歪に入り交じったのっぺらぼうが僕をマリオネットのようにぎこちなく操る。
一日中歩き回って全く分からない話をしながら
全く分からない服やらインテリアやらばっかり見て
最後は座り込んで一休み。
3人で弾む会話は遠くでのびのび軌道を描くキャッチボールにも似ていた。
目で追うことに疲れきってふと空を見上げた途端、こちらに気を遣って唐突に送球される。
当然返球にもたつくわけで。
そんな奴にボール回さなくなるわな。
俺も回さん。
立ち話(座り話か)は1時間半以上続いたかな。
ようやく帰ることになった午後9時。
僕は3人との別れ際に、最後の体力を振り絞って精一杯の冗談を言った。
「次の授業こそちゃんと起きるわ!」
「いや知らんし」
真顔だった。
そうか、知らんか。
そらそうよな。
他人が起きようが寝ようが、んなもん何も面白くねぇわな、清風じゃあるまいし。
当たり前だワハハ。
改札に消える3人に手を振り、駅の構内から出たところで操り人形の糸がプツッと切れる。
転ぶまいと何とか膝に手を着いた。
心配そうに見下ろす通りすがりのサラリーマンの視線。
嗚咽にも似たため息をついて岡田こうたはノソノソと帰路に着きましたとさ。
あの背中は、後ろの通行人にはどう見えてたんだろうか、ワハハ。めでたし。


