夜雨の東京の聞いたこともない線路の駅と駅のあいだの、これまた聞いたことのない公園でせっせとタイヤのパンクを修理している男がいる。石井康太である。
朝一番に、というかキャプテン・アメリカのDVDを観て夜を越した深夜テンションという奴で横浜の釣り施設まで自転車で行ってやろうと思い立ったのがそもそもの間違いだった。
友人と会う約束をすれば大概嵐を呼んでしまう雨男の石井が1人で横浜まで出向いた結果、風は吹き荒れ海は大シケ。隣の釣り人が『こんな大シケなことはじめてだわ!』と半ギレしながら竿を振るっていた。非常に申し訳ない。
そしていつも通り空のクーラーボックスと竿を仕舞い神奈川県を抜け、さあ残りの30キロを乗り切ろうというところでシュシュシュと軽妙な16ビートで後輪のタイヤの空気が抜け始め、今に至る。
東京に入り止んだはずの雨も絶妙なタイミングで降り始め、世間一般の石井ならここで何も出来ずに野垂れ死ぬところだが石井は違う。
いつ神奈川からの帰りで家から残り30キロ地点でタイヤがパンクして雨が降り出してもいいように石井の自転車の後部の2つのバッグには雨具とパンク修理キットが入っているのです。心がけよう、かもしれない運転。
夜の公園でベンチにチューブを乗せゴムパッチを圧着するため無心で叩く作業は先に公園のブランコで話していた事情を知らないおば様たちををドン引きさせるには充分だった。でも石井は気にしない。特技やせ我慢だから。
そんなこんなしている内にチューブとゴムパッチを付けるゴム糊も乾いたと思うのでボチボチ出発しようと思います。って書いてたら急にゴリゴリの豪雨になって来た。Life is beautiful.
【追記】最後の1行を書いてしゃしんを撮っているところで13%あった充電が溶けてコンビニを見つけるまで謎の住宅地を彷徨っていました。
しかもよく見ると写真バグってる。怖い。お家にかえりたい
Life is strange.
