俺
「大川原さん♪ キャバクラ行きません?
近くに取引先と接待でよく行く店がある
んですよ~ 」
大川原さん
「 へっ…? はっ…? 浩輔さん…
何を… 言ってるんですか… ? 」
僕の方を振り返り…
固まってしまっている
まぁ…当然…その反応になるよなぁ…(笑)
と思いながらも…
きっと…
僕と裕子の間にいるであろう美優は社会
見学が出来ると思い喜んでくれているの
ではないかなぁ…
と僕は思っていた
大川原さん
「 いや… … 僕は別に構いませんが… 」
俺
「 鳥くんは…? 」
鳥くん
「 いいよ♪ 行こう♪ 」
俺
「 大輔さんはどうですか…? 」
大輔さん
「 了解です♪ 行きましょう」
鳥くんも奥さんを連れて…
僕も奥さんを連れて…
大輔さんとは初対面…
なんとも… 奇妙な形だが…(笑)
裕子の望み通りに美優の夜の社会見学
が決定した…(笑)
店先の客引きに6人だと伝えて店に入った
裕子はきらびやかな店内を見渡して小声
で何かを言っている…
きっと美優に話かけているんだと思っ
た…
席に通されて…
しばらくした後に綺麗なお姉さん達が
やってきた…
この夜は本当に楽しかった…
なので書き残しておきたい事は山ほどあ
るが…
大川原さんは芸能人で…
大輔さんも社会的立場のある人なので
調子に乗って余計な事を言ってしまい
迷惑をかけてはいけないと…
別に聞かれたらまずい出来事なんか1つ
もないのですが…
ここは残念ながら省略させてもらおうと
思います…(笑)
大川原さんを中心に暫くの間楽しい時間
を過ごさせてもらい…
充分 美優に夜の社会見学をさせてやれた
と思いこの店をあとにした…
大川原さん
「 いや~! それにしても… 浩輔さんも
鳥さんも… どうかしてますよ~!
二人共… 奥さん居るのによくキャバクラ
に行けますよね…! 僕にはわからないっ
すよ~ ! 」
鳥くん
「 その割には… 大川原さん 楽しそうで
したよ~(笑)♪ 」
大川原さん
「そりゃ~楽しかったですけど…(笑)♪」
俺
「 大輔さんは すげぇ~ キャバクラが似合
いますよね♪ どんな高級店でも堂々とし
てそうな感じで…
たぶん… 俺だったらサイフ落としてない
か何度も確認して挙動不審になってます
よ…(笑)
大輔さんはそういうのなさそうですよ
ね…(笑) 」
大輔さん
「 いや~ そんな事ないですよ~(笑) 」
鳥くん
「腹へりません? ラーメン食べに行き
ませんか?
近くに遅くまでやってる旨いラーメン屋
があるんですけど… 」
大川原さん
「 いいっすね~♪ 行きましょう♪ 」
夕方からの雨も一時的に止んでいて…
雨上がりの町を僕と裕子は皆さんと軽や
かな会話をしながら…
少し後ろを背中を見ながら歩いた
美優を思うと…
苦しくて… 苦しくて… どうにもならず
に裕子と二人で家を出て外の空気に触れ
てみた… けど…
何かが大きく変わる事もないなぁ…
と思った矢先に大川原さんが連絡をくれ
て鳥くん夫妻が駆け付けて来てくれた…
そして今…
僕と裕子は一時とは言え
笑顔になれている…
この試練は…
紛れもなく僕と裕子が乗り越えなければ
ならない試練だ…
それは重々に心得ている…
けどラーメン屋に向かって歩く…
大川原さん 大輔さん 鳥くん夫妻のうし
ろ姿が…
孤独な闘いなどしなくていいんだよ…
と僕と裕子に言ってくれているような気
がして…
暖かさと心強さを感じて…
皆の背中がとても大きくて
頼もしく思えた…
鳥くんお薦めのラーメン屋でいろいろな
話をした…
僕らからは…
僕と裕子と美優がどんな家族でこれまで
にどんなエピソードがあったのかとか…
僕達 家族の他にも大川原さんは僕の仲間
達にも興味を示してくれていた…
そして僕の仲間達を最高級の言葉で尊敬
の念を込めて称賛してくれた…
大川原さん
「 いや~! 浩輔さんは本当に仲間に恵ま
れてる人だと思いますよ…!
なかなか居ないですよ…
あんなに熱い仲間なんて…
だって…僕らと美優ちゃん
を繋ごうとして行動してくれるなんて…
それで本当に繋げちゃんですもん!
最初にこの話を僕が聞いたのは…
“芸人報道”って番組を作ってる広瀬さ
んって方からなんですが…
大川原くん…
鬼ヶ島のファンの娘で
今、白血病に苦しみながらも一生懸命
闘おうとしている高校生の娘がいるんだ
けど…
励ましに行ってあげる事は出来ない
か…?
て言われまして…
僕はとにかくすぐに行こうと思いまし
た…
それを野田と和田に伝えようとして電話
したら二人共僕が事情を伝える前に…
大川原!
俺達のファンの娘が白血病で苦しんでい
るみたいなんだ!
励ましに行かなきゃ! 励ましに行こう!
て野田が言うんですよ…
和田も…
大川原!
千葉の高校生で俺達のファンの娘が…
どうやら白血病で苦しんでいるらしくて
励ましに行ってあげたいんだけど…
一瞬… 混乱しましたけど…
野田と和田 二人に…
俺もその話 さっき 広瀬さんから聞いたけ
ど…
同じ娘かも知れないから ちょっと待て…
連絡先を聞いてるから電話してみるか
らって…
言って浩輔さんにあの日の夜 電話したん
ですよ…
そこで初めて浩輔さんが三人の仲間にお
願いしていた事を知って…
その三人が見事なほどに僕ら三人にカブ
る事なく辿り着いてくれたんですよ…
こんな仲間… 本当にいないですよ…!
三人が三人共やり遂げてくれるなんて…
本当に僕らも…
この三人の方には感謝ですよ…
鬼ヶ島と美優ちゃんを繋げてくれたので
すから…
以前から美優ちゃんが鬼ヶ島を応援して
くれてるのは知っていましたけど…
この三人の方のおかげで美優ちゃんのピ
ンチに駆け付ける事が出来たのですか
ら…
浩輔さんからこの話を聞いた時に…
僕が芸人になった意味を…
これほど強く…! こんなに強く…!
感じた事は今までになかったですよ…
美優ちゃんとの出会いは
僕にとって一生の宝ですよ… 」
僕は大川原さんの言葉を聞いて…
改めて すべての方々に感謝した…
僕と裕子だけじゃなく…
お世話になった方々の心の中にもちゃん
と美優の居場所は作って貰えているん
だと…
僕は自分の人生を振り返ってみた…
十代の頃に…
難病で旅立って行ったアイツ…
ハタチの頃に…
事故で旅立って行ったあの娘…
あの先輩… あの後輩… あの同級生…
お世話になった恩人のあの方…
僕にも忘れてはならない人達がいる…
今…
僕の頭に浮かんできた方々の中には…
ここ数年…
ふと思い出す事もしなかった顔もあった
大川原さんの有り難い言葉のあとで
僕は強烈に自分を恥じた…
僕は多くの人に美優を忘れないでいて欲
しいと…
強く願ってきた…
頭の片隅にでも構わないので…
ふとした時にでも美優を思い出して貰い
たいと…
そう強く願ってきた…
アイツにも… あの娘にも… あの同級生…
あの先輩… あの後輩… 恩人のあの方…
みんなに魂があり…
たまには向こうから僕を見る事もあった
だろ…
ふと思い出す事もしない僕を一体どんな
気持ちで見ていたのか…?
アイツにも… あの娘にも…あの同級生…
あの先輩にも… あの後輩にも…
恩人の方にも…
残された遺族の方がいらっしゃる…
その遺族の方も…
きっと… 僕の心と同じように…
“ 忘れないで欲しい ”
“ 覚えていて欲しい ”
と願っていたはずなのではないか…
あの時の遺族の方々の想いは…
今の僕と同じ…
悲しみと切なさと寂しさと苦しみの中で
切実に願う大切な想い…
だったはずだと思うと申し訳なさと胸の
苦しさが同時に込み上げてきてしまう…
僕は動揺を上手く隠しながら…
向かい合う
大川原さんと 大輔さんとの楽しい会話を
途切らせないように器用に会話をする…
誰にも… 動揺は悟られて… ない…
胸の苦しさを覚えるような…
大事な事に… 気付いてしまった…
こんな時でも…
こんな風に振る舞う事ができてしまう
自分が嫌いで…
そんな自分を…
我ながら… 気色の悪い奴だなぁ…
と僕は僕を客観的に見ていた…
店内の時計を見上げれば…
午前4時少し手前…
鳥くんの奥さん…
ちっちが眠たそうにしているのを見て
重大な事に気が付いた!
俺
「 あっー ー ー !! 今日も明日も平日だよ
ね! ちっち! ちっち! 今日…会社休み
なんでしょ…!
頼む! 休みだと言ってくれ~! 」
ちっち
「 ううん… 仕事だよ~。
もう少ししたら… 会社行くよ。」
裕子
「 えぇっ~!! ちっちさん…!
どうしよ~! ゴメンなさい!
こんな時間まで…! ちょっとパパ! 」
俺
「 嘘だろ… ちっち… もう4時になるぞ…
本当は… 休みなんでしょ…? 」
ちっち
「 平日だもん… 仕事だよ… 」
俺
「 とか言っちゃって… 本当は…
県民の日とかで休みなんでしょ… 」
ちっち
「 会社は都内… 県民の日は6月だよ…」
俺、裕子
「 … … … … 」
大川原さん
「 急いで帰りましょ! 少しでも寝…
無理かぁ… 鳥さんっ!! 何やってるんっ
すかぁ!
なんで何も言わないんっすかぁ!
奥さん仕事っすよ! 」
鳥くん
「 えぇっー!! 俺っすか! 」
大川原さん
「 そうですよ! 僕らじゃ気付けないっす
よ~! “ 帰りましょ ”なんて奥さんは
言いづらいじゃないですか! 」
鳥くん
「 だって… ! 何も言って来ないから…
大丈夫だと思って… いつもなら… ねっ!
ツンツンってしてくるし… 」
大川原さん
「 鳥さ~ん ! 気が利かないなぁ…
初めて浦安で会った時から気が利かな
いって思ってましたよ… 車 禁煙だし… 」
鳥くん
「 車が禁煙なのは関係ないですよっ!
あっー!! てゆうか吸ってたじゃないです
かぁー ー!! 」
大川原さん
「 クックックッ(笑)♪♪♪ 」
僕らは急いでラーメン屋を出て…
ちっちに少しでも
ゆっくりできる時間をと…
慌てて各々が帰路に着いた
車に乗り込み別れる間際…
本気で僕と裕子はちっちにこんな時間ま
でつき合わせてしまった事を詫びた…
けれども…
ちっちは嫌な顔ひとつしないで…
ちっち
「 ううん♪楽しかったから…平気だよ 」
と言ってくれた表情が爽やかで…
僕も裕子もほっとした…
過去を思い返しても…
次の日が仕事の時にちっちがこんな明け
方まで付き合うことは記憶にない…
鳥くんにツンツンしないでいてくれたの
は僕と裕子に対する優しさなんだと…
少しほっとしたあとで普通に考えたら普
通に気付けた…
いつもちっちを気にかけていた鳥くんが
あの時間になってもツンツンしてこない
ちっちに何も気付かない訳がないと…
やっぱり… どっちも優しいなぁ♪
と思いながら二人の乗る車を見送った…
そして大川原さんと大輔さんにも今日い
いタイミングで誘ってくれたお礼と挨拶
をした…
俺
「 大川原さん… 大輔さん…
昨日と今日は… 実は… 僕も裕子も…
苦しくて…苦しくて…
どうにもならない状況で気分を変えよう
と言って…
外に出たんです…
そのタイミングで誘って貰いまして…
一変 … 楽しい時間に変えて貰えまして
本当に救われました…
大輔さんもお会い出来てよかったです…
大輔さんが撮ってくれた…
あの写真を美優は大事に大事にしていま
した… 本当にありがとうございます… 」
大輔さん
「 いえいえ… そんな… 浩輔さん…
これからも… また… ちょくちょく…
僕 仕事で千葉にいることが多いので…」
俺
「 はい…! 是非…♪ 」
大川原さん
「 浩輔さん…! 裕子さん…!
またすぐ遊びましょ! 今度 家に遊びに
行かして下さい♪
美優ちゃんにも会いたいし…
お線香あげに行かないと♪ 」
裕子
「 あは♪ 美優 絶対喜びます♪
嬉しい~♪ 嬉しい~♪ 」
俺
「本当だなぁ… それは大喜びだなぁ♪」
大輔さん
「 浩輔さん! 裕子さん! 帰り道気を付け
て下さいね♪ じゃ… また… 」
大川原さん
「 また…連絡しますね…」
裕子
「 大輔さんも… 大川原さんも…
気を付けて帰って下さいね♪
今日はありがとうございました…♪」
俺
「 ありがとうございました… 」
大川原さんと大輔さんの車も見送って…
僕と裕子も帰路に着いた…
帰りの車中…
裕子は声に出して美優の気配に話かけて
いる…
楽しい時間を振り返りながら…
あの時はこうだったよね~♪
とか…
この時はこうだったよね~♪
とか…
キャバクラで大川原さんが綺麗なお姉さ
んにチョッカイを出している時に美優は
どう思った…?
とか… 少しイジワルな質問も…(笑)
裕子の若干…
高めのテンションと
ほんのりと緩む笑顔が…
明日の闘いにアドバンテージがこっちに
ある事を示してくれていて心に余裕を持
つ事ができる …
僕は車を運転しながら…
さっき気付いた事を考えていた
美優は18才でこの世を卒業して旅立って
行った…
僕が17才の頃…
同級生がこの世を卒業して旅立った…
僕はその彼と中学校3年の時 同じクラス
で…
2学期の真ん中辺りから学校に出席して
来なくなっていた…
少し長い欠席に 僕は風邪でもこじらせた
かと思っていたが…
担任からは何の説明もなく…
そのまま冬休みに入った…
僕はその彼と特別に仲が良かった訳では
なかったが…
僕はその彼が好きだった…
その彼は野球部でピッチャーを努めてい
た…
勉強も優秀で学年のトップクラス
スマートな性格であまりはしゃいだりは
するようなタイプじゃなかった…
いつも冷静で正確な事を冷静に言う奴…
いつだかのテストで僕はその彼にお願い
してカンニングをしようと試みた…
それまで成績なんかを気にした事などな
かったが…
前回のテストの順位で僕のすぐ後ろに
ほとんど学校に来ていない秋山がいる事
に気付いて…
さすがの僕も慌てた…(笑)
その彼にお願いして何としても秋山を僕
の前に行かせる訳にはいかなかったが…
「 浩輔… そんな事しても…何の意味もな
いぞ… わかってるか…? 」
僕のお願いに対する答えは こうだった…
カンニングをさせてくれ~!
と僕は言っているのだから 当たり前の返
答なのに…
僕は諦めずに拝み倒す!
俺
「 いや… わかってるけど…
秋山に負ける訳には行かないんだよ!
だってアイツ全然 学校来ないクセにさぁ
そんな奴に負けたらカッコ悪いじゃん!
俺、毎日来てんだよ!
アイツそれ知ってて…
浩輔~ 何位だった~?
とか言ってんの!
お前から言えよ!
て言ったら…
32〇位だって…
俺の2つ後だよっ!! ヤバいよ! 頼む!
カンニングさせてくれ~!
だいたい! アイツよ~!
たま~に… 学校来れば 女子や後輩達に…
キャー♪キャー♪ 言われてさぁ!
ちょっとカッコイイからって…
ズリーんだよ!
ガチョンまで… (生徒指導の先生)
おう!秋山 今日は来れたのか!偉いぞ!
とか言ってよ~!
バカかぁ!誉める程の事かぁっ!!!
他の不登校の奴と明らかにちげーだろう
が!
金髪でキャーキャー言われてニコニコし
ながら登校して全然悩める感じじゃねぇ
だろうが!
なっ! 頼むよ… 負けれねぇんだよ…
秋山が試験の日休めば問題ないんだけど
さぁ… 来たらマズイから… なっ! 」
( 当時 僕と秋山は親友です)
「 見せないけど… 勝手に見れば… 」
と言ってくれて…
あくまでも自己責任という暗黙のルール
で許可が出た…
その日から僕の中では…
その彼が好きになってしまった…(笑)
大人になった今…
いけない事をしていたのは当然解るが…
当時の僕は下らない事で本気で悩んでい
た…
そんな僕の気持ちを分かってくれて懐が
深くてクールな彼が好きになった…
かと言って付き合いが深まる事もなかっ
たが…
僕が勝手に気にするようになっていった
野球部には内藤とかもいたから試合が
志津中で行われると聞けばバックネット
裏に陣取り応援した…
僕は見たことはないが…
いつもはクールなその彼もマウンドに立
つとメラメラと闘志を燃やす事もあった
ようだ… と内藤から聞いた事がある
そんな彼が三学期が終わる寸前まで1度も
登校してこない…
卒業式の直前の何日か前で
ようやく元気な姿を見せてくれたが…
マスクをして… キャップをかぶった姿で
教室に入ってきた時に僕は初めて大変な
病気と闘っていた事を知った…
クラスの皆が大喜びで迎える!
本人も凄く嬉しいそうだった…
僕も… 一言、二言… 言葉をかわす…
こうして学校に来れたのだから…
きっと… もう大丈夫なんだろうと…
僕は疑わずにいた…
そして…
そのまま僕らは卒業していった
彼は地元の優秀な高校に進んで野球を続
けていると仲間から聞いて何の心配など
していなかった…
それから1年と数ヵ月の月日が流れ…
17才で…
精一杯に生き抜いて人生を卒業した事を
仲間から伝え聞いた…
担任の先生とクラスのみんなで…
学年のみんなでお通夜に参列させてもら
い彼を見送った…
今… 思い出してみると…
僕はこの時も
彼が心に何を思っていたのか…
考えていたと思う…
けど…
苦しくなって考えるのをやめたのを覚え
ている…
あれから22年の月日が流れて…
その間に僕は美優の父親になり…
18才の娘を看取って… 見送った…
あの17才の時に
苦しくて考えるのをやめた事を…
今 一度 39才になった今 考えてみた
間違いなく… 彼も…
正真正銘の勇者だ!
病に1歩も退かずに闘った
勇敢な魂の持ち主…
与えられた時間を精一杯に駆け抜けて
きっと…
大勢の人達に愛を教えて旅立って行き…
大勢の人達を見守り続けて…
そして…
大勢の人達に彼はいつまでも愛された…
それはこの先もずっと…
僕は…
彼の事を忘れてた訳ではないが…
でも…
もう一度しっかりと自分の心に…
彼に… 僕の心に居てもらう為に…
彼の場所を…
自分の心にしっかりと築こうと思う…
彼だけではなく…
あの娘や… あの先輩… あの後輩…
あの同級生… あの恩人の方…
御先祖様…
僕の心にみんなに居て欲しいと…
心の底から強く思った…
僕が忘れてしまう事をしなければ…
みんなは僕の心の中に永遠にいて
くれるだろう…
そりゃ…
四六時中 想っているのは無理だけど (笑)
美優がヤキモチ焼くし…♪
けど… いつまでも…
先に逝かれた方達を忘れ去る事など
断じてない…
供にいつまでも…
あの娘や… あの同級生… あの先輩…
あの後輩… 恩人の方… 御先祖様…
そして美優…
誇らしげに胸を張っての
再会の日まで…
みんなに
僕の心の中で生き続けて貰おう…
美優~♪
時の流れはやっぱり早いなぁ…
気付けば2度目の御盆だね♪
いろいろと調べてみたけどさぁ…
風習が地域ごとに いろいろあって
どうすればいいのか…
わからないよ~(笑)♪
いっそうの事 来年からはさぁ
北海道から順に
その土地の風習に習って
御盆を過ごしてみようかぁ♪
年々 南下していくみたいな
感じで…(笑)
案外 楽しいんじゃないかなぁ♪
こんな事言ったら不謹慎だって
怒られちゃうかもなぁ…(笑)
まぁ でもさぁ… 俺は御盆に限らず
いつも二人が俺のすぐ近くに居てくれて
いるって感じてるから…
毎日 御盆みたいなものなんだけど…(笑)
だから… 今年からはこの時期はさぁ…
普段 あまり 思い出さなかったり…
思い出せなかったりする人達って
いるじゃん …
生前 関わりを多少なりとも持たしても
らった方々を想って過ごしてみるのも
良いのではないかと…
思いついてしまったよ…♪
はい♪ 誤解しないでよ~!
美優と裕子をないがしろにするとかじゃ
ないからなぁ…(笑)
たださぁ…
最近 大事にするのは血の繋がり
だけではないと…
凄く 思うんだよ…
当然 御先祖様は有り難く大事で大切な
存在なのは不変な事だけど…
家族とかって絶対に大切で尊いものだけ
どさぁ…
家族や血の繋がりだけを大事していれば
それでいいって訳じゃないよなぁ…
想いの繋がりも大事にしていきたいと
俺は思うよ…
なので魂を感じる事のできるこの時期は
先に逝かれた方々に想いを馳せる事をし
ていこうと思うんだ…
いつも二人を感じているよ…♪
ありがとうなぁ♪
寂しくなんかないから安心しろ…!
俺は大丈夫だ…!
心配するな♪