ブログ開設1周年記念の勝手にハロウィン祭りです。

「Happy Halloween ~プロローグ~」が先ですが読まなくても楽しめると思います(笑)




●注意事項●

この作品はあくまで私の主観で書いてるので、キャラの性格が思ったのと違う!ということがあると思います。

そのあたりを許せる人だけご覧下さい。


ヒロインの名前は「結衣(ゆい)」です。



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「Happy Halloween ~一磨の場合~」






会場に入ってすぐに、一磨さんの姿が目に飛び込んできた。

「あっ!」

思わず駆け寄り、挨拶をする。

「一磨さん!お疲れ様です」

「結衣ちゃん、お疲れ様。山田さんもお疲れ様です」

「どうも」

一磨さんはどこかに行くつもりだったのか、会場の奥をちらりと気にする。

「どなたかいらっしゃるんですか?」

「お世話になった映画監督が来てるらしくて」

「そうなんですか。だったら私のことは気にせずに行ってください。私も皆さんに挨拶したいですし」

「ごめんね。ありがとう。山田さん、失礼します」

一磨さんはそう言うと、会場の奥へと消えていった。

後ろ姿を眺めていると、山田さんに声をかけられる。

「カレは忙しそうだな」

「そうみたいですね……」

寂しくてつい声が小さくなる。

そんな私を見て、山田さんがため息をつく。

「お前もいろんな人に挨拶に行くんだぞ。今日は有名な監督や大物プロデューサーが来てる。顔を覚えてもらういい機会だ」

「はい!」

私は自分を奮い立たせて、山田さんの後についていった。


(はぁ……)

化粧室で鏡を見ながらついため息をついてしまう。

さっきまで山田さんと一緒にいろんな人に挨拶に行ってきたが、さすがに疲れてきた。

笑顔がひきつりそうになって、ここに避難してきたのだ。

(ダメだ。気持ちを入れ替えなくちゃ!一磨さんもがんばってるんだし……!)

会場に来てから、ほとんど一磨さんに会えてなかった。

お互い挨拶周りをしていて、2、3回すれ違っただけ。

今日は一磨さんに会えると思って仕事もがんばったが、これだと報われない気がした。

でも一磨さんは笑顔をくずさず、何を言われても嫌な顔ひとつしていない。

そんなカレを見ていると、自分ももっとがんばらないとと気を引き締めているところだった。


リップを直して廊下に出ると、待っていてくれるはずの山田さんがいなかった。

「あれ……?」

(山田さん、どこ?)

廊下を見渡すと、ソファーに翔くんと亮太くんがいるのが見えた。

近づいて挨拶をする。

「翔くん、亮太くん、お疲れ様。ごめんね、挨拶が遅れて」

「あ、結衣ちゃん!」

「結衣ちゃんかわいー。それ絶対領域でしょ?」

亮太くんが私の足元を見て言った。

「なに?絶対領域って?」

「翔ちゃんは知らなくていいことだよ」

二人のやりとりを見て、私はクスッと笑った。

「それって悪魔?コウモリみたいな羽根ついてるし」

「そう。モモちゃんが用意してくれたんだけど」

「そうなんだ。モモちゃんいい仕事するよねー」

「?」

亮太くんがニヤニヤしながら言ったが、何のことかよくわからなかった。

「二人は魔法使いなの?」

「そうそう。オレと亮太が魔法使いで、京介と義人が海賊で、一磨がドラキュラ!」

「そうなんだ。海賊見てみたいな」

「あれ?ドラキュラはいいの?」

いたずらっぽい眼差しで亮太くんが私を見た。

「一磨さんにはもう会ったの。忙しそうでほとんど話してないけど」

「一磨ねー。挨拶ばっかしてちょっとはパーティ楽しめばいいのに」

「そうそう!オレらが代わりに行くって言ってるのに」

「翔ちゃんじゃ一磨も不安なんじゃない?」

「ちょっ!亮太!」

笑いながら聞いていたら、ふと山田さんのことを思い出す。

「そういえば、山田さん見なかった?」

「山田さん?あっ!プロデューサーに連れて行かれるトコ見たよ」

「あの人話、長いんだよねー」

(そうなんだ。じゃあ山田さんしばらく戻ってこれないのかな……?)

「ありがとう。私、ちょっと探してくるね」

私は手を振ってまだ休憩している二人と別れた。


会場に入って山田さんを探すと、遠くの方でお酒を飲まされている姿を発見した。

(山田さんって、お酒強かったっけ?)

そばに行こうとすると、山田さんと目が合って首を横に振られた。

どうやら来るなと言っているみたいだ。

私はどうするか一瞬迷って、そっとその場から離れた。


一磨さんもまだいろんな人と話してるようで、私は急にひとりになってしまった。

(どうしようかな……)

その時ふとバルコニーが目に入ったので、そちらに行くことにした。


バルコニーには誰もいない。

10月も下旬になると肌寒いし、パーティなので薄着の人も多くてみんな来ないのだろう。

人に会うのに疲れた私は、そこで山田さんを待つことにした。

今日のパーティはWaveも来ると聞いていたので、一磨さんに会えることを期待していたのに、このままだと話ができないまま帰ることになりそうだ。

(パーティも仕事の場。一磨さんはWaveのリーダーなんだし、仕方ないよね)

自分に言い聞かせながら、柵にもたれてひとり夜風にあたっていた。

「あれ?結衣ちゃん?」

突然後ろから声をかけられ、私は驚いて振り向く。

そこには海賊の仮装をした京介くんと義人くんがが立っていた。

「京介くん、義人くん……」

二人はそばに来て、私を挟むようにして柵にもたれた。

「どう。パーティ楽しんでる?」

「うーん……どうかな。挨拶ばっかりだし」

言いながら愚痴っぽくなったことに気づいて、慌てて付け加える。

「でも人に会うのは楽しいし、来れてよかったと思うよ」

「ほんとに?」

京介くんが意地悪く聞いてくる。

「一磨に会えなくて寂しいんじゃない?」

「そんな……こと」

すると反対側から義人くんも声をかけてきた。

「……一磨も、寂しがってた」

「え……?」

「さみしそうな笑顔だった。結衣ちゃんも」

言われてとっさにうつむく。

(そんなに顔に出てたのかな……でも、一磨さんも寂しいって)

「ここに来るまでは結衣ちゃんに会えるって楽しみにしてたよ。口では言わないけどバレバレ」

京介くんの言葉に義人くんが隣で頷く。

「着いてからはいろんなところに挨拶に行かされて、そろそろ本気で疲れてるんじゃないかな、リーダー」

「一磨は、なんでもひとりでやろうとするから……。ちょっとは俺たちを頼ったほうがいい」

二人の言葉に私は胸が熱くなるのを感じる。

(さっき、亮太くんと翔くんも一磨さんの心配してた……みんな、一磨さんのこと大事に思ってるんだな)

「さっき翔くんも、義人くんと同じこと言ってたよ」

私がそう言うと、義人くんはなんとなく不本意そうな顔をしていた。

「ねぇ、結衣ちゃんの仮装って悪魔?しっぽついてるし」

「そうだよ。さっき翔くんにも同じこと言われた」

すると京介くんもちょっと嫌そうな顔をしたので、私は声を上げて笑った。


会場に戻るとホテルのスタッフの人が来て、山田さんが飲みすぎで空き部屋で寝ていると教えられた。

(うそ……どれだけ飲んだんだろう……?)

部屋を覗きに行ったが、熟睡しているようで声をかけずに会場に戻ってきた。

ひとりで帰ろうか悩みながらウロウロしていると、一磨さんがようやく解放されたようなのでそっと近づいてみる。

ふうっとため息をついた顔は本当に疲れていて、私は声をかけるのをためらった。

しかしすぐに一磨さんがこっちに気づいて笑顔で声をかけてくれる。

「結衣ちゃん」

「一磨さん……」

抱きつきたい衝動を抑えて、ゆっくりと一磨さんのそばにいく。

「挨拶は終わったんですか?」

「うん。もう1年分ぐらい挨拶したかも」

軽口たたいて笑う一磨さんだったが、無理して笑ってるんじゃないかと心配で仕方なかった。

「一磨さん、もう休んだ方がいいですよ。私タクシー呼んでもらいますね」

そう言って駆け出そうとする私を一磨さんが引き止める。

「呼ばなくていいよ。今は結衣ちゃんと楽しみたい」

真顔でそう言われ、私は顔が赤くなるのを感じた。

「私も……です」

そうしていると、背後から賑やかな声が聞こえてきた。

「じゃあ俺ら先に帰るから」

「え?オレまだいてもいいけど」

「いいから翔ちゃん帰るよ」

「……楽しんで」

それぞれ声をかけて会場から出て行った。

気がつけばほとんど人がいない。

料理やお酒もほとんどなくなっていて、ハロウィンの飾り付が妙に寂しく見えた。

「どうしましょう、か?」

「そうだね……」

あたりを見渡して少し考えていると、一磨さんがふと思い出したように聞いてきた。

「そういえば山田さんは?」

「あっ!」

私は一磨さんに事情を説明して、一緒に様子を見に行った。

しかし山田さんはまだ起きる気配がなく、声をかけても全く反応しない。

「けっこう飲まされてたからね……」

(山田さん、今夜は起きないだろうなぁ……)

「……もし、結衣ちゃんが嫌じゃなかったら……二人でパーティの続きしない?」

「……!し、したいです!」

私の反応をみて一磨さんはクスッと笑う。

「じゃあ、うちにおいでよ。途中でワインでも買おう」

「はい!」



一磨さんのうちにつくと、二人でワインをあけて乾杯をした。

「一磨さん、本当に疲れてないですか?無理しないでくださいね」

私が気遣うと、隣に座る一磨さんが私を見てふっと笑う。

「疲れてるから、結衣ちゃんと一緒にいたい。結衣ちゃんといると疲れが取れるから」

「そ、そうですか」

「うん」

照れながらワインを飲む。

すると一磨さんがグラスを置いて、私の衣装をまじまじと見始めた。

実は一磨さんのリクエストで着替えずに悪魔の衣装のままだった。

「どうですか?」

「うん、似合ってる」

満面の笑みでそう言われて、私の顔はますます赤くなる。

「モモちゃんに用意してもらったんです。あ、亮太くんにいい仕事って言われました」

「亮太に?」

「はい。絶対領域がどうとかって」

「……あいつ」

一磨さんは頭を抱えるようにしてうずくまった。

疲れが一気に出たのかと思って背中をさすると、一磨さんに腕を取られる。

「か、一磨さん!?」

「可愛いけど、この衣装は俺の前だけで着てほしいっていうか……オレ何言ってんだろ……」

「えっと……」

すると突然抱きしめられて、一磨さんは私の肩に顔をうずめる。

しばらく無言で抱きしめられたあと、顔を伏せたままで一磨さんが私に言った。

「今日、挨拶ばっかりでかまってあげられなくてごめん。本当は、ずっと結衣ちゃんのそばにいたかったんだけど……」

「はい……」

「結衣ちゃんの可愛い姿、他の男はいっぱい見たのに俺があんまり見られないのはいやだ……」

(……!)

「本当は俺だけの結衣ちゃんでいてほしいけど、それは無理だし……ってダメだ。支離滅裂になってる」

「……」

私は一磨さんの背中に腕を回して、力いっぱい抱きしめた。

そうじゃないと、伝わらない気がして。

「私は」

「え?」

「私は一磨さんのものですよ?」

そう言うと、いきなり唇を奪われて、背中にソファーを感じた。

真剣な顔で上からのぞきこむ一磨さんの顔に、鼓動が早くなる。

「可愛すぎて限界だよ」

そう言われて、激しく唇を奪われる。

夢中でそれにこたえながら、私は今日すれ違っていた時間を思い出す。

たとえすれ違っても、会いたい思いは同じだ。

一磨さんも、私だけの一磨さんでいてほしい。

そう心から願う。


一磨さんの激しい愛を感じながら、私は必死にカレにしがみついた――。






FIN




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私の勝手な一磨のイメージは独占欲が強い。

そんな一磨をかいてみたかったんですが、登場時間が短かった。

ごめんね、一磨。


Wave好きです!

でも掛け合いをもっと書くと長くなるから断念しました(T_T)

それはまたの機会に。



読んでくださってありがとうございました!