広州あんてぃーく倶楽部(KAC)の5月度活動報告になります。

 

 

■日程

5月19日(日)

 

■スケジュール

0730 地下鉄1号線・体育中心駅B出口集合     

0930 西湖西山(泗洲塔、元妙古観、朝雲墓など)

1130 食事

1230 中山公園(中山記念堂、望野亭、古城壁)

1400 含江楼 

1700 広州市内着 

 

 

毎度のことですが、この日も大雨予報。しかし結果は気温34度まで上昇して

のぴーかん照り。むしろ雨が降って欲しかったくらいの夏日になりました。

 

 

恵州西湖は、元々、人々が魚を捕ったり、レンコンなどの根物野菜がとれたり

と豊かな恵みを与えてくれる湖という意味で「豊湖」と呼ばれていました。

 

北宋代に大政治家であり著名詩人でもあった蘇軾(蘇東坡)が左遷されて恵州に

至った際、前任地であった杭州西湖に匹敵する美しさから南の「西湖」と名称

を変更しました。

 

車で約2時間半で到着。

 

 

北門をくぐるとすぐ先に元妙古観、左手には西湖が広がっています。

バスを降りた瞬間に体にダイレクトにくる暑さです。

 

 

 

元妙古観、唐の貞観七年(633年)創建。元々は、天慶観という名称でしたが、

大元ウルス時代の元貞二年(1296年)の重修の際に、現在の元妙観に改名

したとのこと。大元ウルス晩期が最も栄えていたようです。

 

現在は、恵州道教協会の本部が置かれており、中国三大著名道観の一つ

(諸説あり)に数えられています。

 

 

 

山門をくぐると正面の玉皇閣の左右に、鐘楼と鼓楼が並び、その後ろに三清殿、

関帝廟と続きます。その中、山門のみが明代建築の名残があるようです。

建物は1980年代より徐々に重修されてきました。

 

 

 

現在も民間信仰を集める良い道観です。入口前に人相見と障害者がたむろしてる

のも伝統ある道観ならでは。北京の白雲観を思い出します。

 

 

しかし、線香の煙が舞う寺院内をうろついただけですでに汗だくです。

少しは涼しくなるかなと思い、公園内の島々をつなぐ湖にかかる橋を

渡ります。橋も古橋が残っているようですが、太陽を遮るものがない

ので体力を消耗させられます。

 

 

 

途中、東平賽陶瓷美術館、旧留丹亭にてクールダウン。焼け石に水。

 

 

 

続いて九曲橋を渡ろうとすると、ついに泗州塔が見えてきました。美しい!

古塔はどうしてもそのところまで行ってみたくなりますが、美観を堪能する

なら少し距離を置いたところから見るのが正解。

 

 

 

橋を渡りきると、正面に蘇東坡記念館があります。階段を上ると、

蘇軾の銅像がお出迎え。記念館は2フロアあり、ちょっとした蘇軾

関連文物が置いてます。しかし、暑さのせいで集中力がない。

 

 

ざっとみて回ってから、蘇軾の「紅顔知己」として有名な王朝雲の墓を

見学に行きます。

 

 

 

王朝雲墓、北宋紹聖三年(1096年)の創建。王朝雲(1062年〜1096年)、

字は子霞、浙江杭州の人。1094年に蘇軾に従って恵州に来るも、その2年後に

病没。

 

本人の意思を受けて故郷の西湖を思わせるこの西湖のほとりに葬った模様。

 

 

 

1984年に現在の場所に移され、墓前には「六如亭」を建てたとのこと。

墓の作りは明代以降の広東様式ですね。

 

景賢祠という、恵州に関わりのある歴史人物の肖像画が並んでいる空間を

通り抜けると、目の前に蘇軾の「赤壁賦」が彫られた石像が現れました。

 

賦は、漢賦と言われるように漢代に流行った詩の形式です。

石像の全面を使って彫られてます。

 

 

しばらく歩くと素敵な山門が見えてきました。

 

 

准提寺、別名、准提禅印。明代の創建。元妙観は道教のお寺、

こちらは仏教のお寺ですね。こちらも山門は立派ですが、

准提閣は最近建てられた近代建築です。

 

少しここでブレイクタイム。流石に日射病になりそうな勢いで汗が

流れ出てます。しかし!まだ肝心の泗州塔をみてないので、

自分を奮い立たせて塔まで歩きます。

 

 

准提寺から歩いて10分くらいでしょうか。ようやく泗州塔に到着。

 

 

 

泗州塔、北宋の紹聖二年(1095年)の創建。楼閣式、七層錐形塔、

高さ35m。唐代に渡来した西域の名僧僧伽が長安で圓寂した後、

その功績を記念して建てたのが泗州塔。各地でもそれに倣って泗州塔が

建立されたようです。

 

 

明代に一度崩壊したようですが、明の万暦四十六年(1618年)に再度建立。

つまり現在の塔は明代の様式を残しています。ただし塔身をみた感じ、

その後随分と補修されてるようです。

 

やはり塔はある程度の距離を置いて見るのが良いですね。

 

 

自分自身もそうですが、メンバーも随分と体力を消耗していたので、

入口付近にあった西湖飯店まで這うように戻り昼食タイム。

 

 

 

カゴからマイセルフで飲茶をピックアップするタイプのレストランでした。

一気に三本ビールを飲んで体力回復!味はまあまあでしたが、楽しい会話

に花が咲きました。

 

食後の訪問先は、西湖からすぐの場所にある中山公園。本当に小さな公園

ですが、その中に数多くの見どころがあります。

 

 

 

まずは「天下為公」が書かれた山門をくぐり、正面の孫中山像の前で

記念撮影。

 

 

 

 

もちろんその後ろには中山記念堂があるのですが、開いてませんでした。

 

 

 

その隣には、清代創建の望野亭があり、近所の人が憩いの場所として

使っています。

 

 

また、「東征遺址」というプレートだけが置かれてます。どうやらここで

戦没した革命戦士たちを追悼する演説を周恩来が行ったようです。

 

 

この中山公園の一帯は、隋代から重要な軍事拠点だったようで、

明代に修築された城壁跡も残っています。

 

 

 

自然な石を積み上げた部分とレンガを積み上げて作った部分のどちらが

明代の遺構か判別できず。越秀公園のケースだとレンガ積み上げ式ですね。

 

 

あとは孫中山の右腕として辛亥革命に活躍した廖仲愷の石碑なんかもあります。

 

本当に日本の公園くらいのサイズなので、30分くらいで見学終了。

最後に、含江楼を見学。

 

 

含江楼(合江楼)、宋代創建。宋代の三司行衙中皇華館内にあった江楼で、

官僚たちの宿場的な役割を果たしていたそう。一応罪人の汚名を背負って

来た蘇東坡ですが、小役人が気を使って宿泊許可したらしい。

いつの世も忖度があります。

 

 

広東六大名楼として、広州の鎮海楼や肇慶の閲江楼などと併称されています。

 

 

が、目の前にある楼はどうみても近代建築ビルって感じですね。

現在、この楼を中心に観光地として整備している途中のようです。

完成すれば上まで登れそうですが、今回はダメでした。

 

流石に気温34度の中をプラプラするのは命の危険を感じます。

結局1万歩は歩いていたので、あまり無理をしてはいかんと我が身で

思い知りました。

 

夏場は涼しく回れる場所など考えなきゃ。

 

 

 

以上。