石牌村は、広州市最大にして、古い歴史を有する「城市の中の村」です。実に、700年以上の歴史があり、数多くの宗祠や廟宇が点在しています。今回は、前回紹介した潘氏以外の宗祠を見て見たいと思います。

 

潘氏以外には、董氏、池氏、陳氏、梁氏、冼氏の宗祠があるようですが、この中で割と探しやすいのは、黄埔大道沿いから石牌村に入ってすぐにある董氏と池氏の宗廟です。

 

 

董氏宗祠は、緑荷西大街の牌坊を潜って、100m先のビルとビルの間の細道を左折した突き当たりにあります。鉄柵があり、開放時間があります。ちょうどもうすぐオープンというタイミングで行ったのですが、開けてくれたのは5分後でした(汗)。

 

 

 

清朝初期の建築ということですから、約300年前の物ということになります。2001年に大掛かりな改修が行われたため、そんなに古の香りはないものの荘厳な雰囲気が漂います。

 

 

 

中に入ると、よく手入れが行き届いていて、董氏の家系についての説明などもあります。文武ともに人材を輩出した家系のようです。

 

 

 

ついで、黄埔大道石牌村牌坊を潜ると、すぐ右手に池氏宗祠があります。入り口だけ見ると普通の民家のようですが、その門をくぐると左手に立派な宗祠が現れます。

 

 

 

池氏の基祖となった池逹源(名号を、永錫堂)を記念して建てられたようで、清の同治四年(1865年)に重建したようですから、創建はもっと古いのですが正式年代は不明です。こちらは武の家だったようで、宗祠に入ると多くの武器が並べられています。

 

 

そもそもあまり知られていないようですが、科挙というと文官を選出する試験と思いがちですが、武官を選出する試験も科挙と言っていたのです。

 

 

清末の革命期には、多くの人材を輩出したようで、黄花崗の役に参加した池柏(1879〜1961年)や、孫文の死後、その葬儀を取り仕切った池博(1892〜1938年)の名も見られます。