サラダ油とキャノーラ油の違いは?
はい、サラダ油とキャノーラ油の違いについて分かりやすく説明いたします。結論から言うと、キャノーラ油はサラダ油の一種ですが、原料や特性に違いがあります。
以下の表に、主な違いをまとめました。
比較ポイント サラダ油 キャノーラ油
定義 JAS規格で定められたカテゴリー名(低温でも濁らない精製油) 原料(キャノーラ種)に由来する油の名称
原料 菜種、大豆、トウモロコシ、ごま、ひまわりなど(単一または混合) キャノーラ種という特定の品種の菜種
味・香り 原料により異なる。全般的にクセがなくあっさり 非常にクセがなく、軽い口当たり。加熱しても油臭くなりにくい。
発煙点 約200℃前後 約200~240℃とやや高め(メーカーにより差あり)
栄養 原料により異なる オレイン酸が豊富。リノール酸、α-リノレン酸のバランスも比較的良好。
価格 原料により異なる。混合油は比較的安価。 比較的安価で入手しやすい
主な用途 揚げ物、炒め物、ドレッシング(そのままでも使用可) 揚げ物、炒め物、ドレッシング、お菓子作りなど何にでも使いやすい
📌 それぞれの特徴をもう少し詳しく
1. サラダ油
「サラダ油」とは、JAS(日本農林規格)で定められた品質の規格の名前です。 「低温(0~5℃)で一定時間放置しても濁ったり固まったりしない」というのが最大の特徴で、これがそのままドレッシングとして「サラダ」に使えることから名付けられました。 原料は菜種、大豆、トウモロコシ、ごま、ひまわり、紅花(サフラワー)、綿実、米(米糠) のいずれか、またはこれらを混合したものです。スーパーで「サラダ油」とだけ書かれているものは、これらの原料を混合した調合サラダ油である場合がほとんどです。
2. キャノーラ油
キャノーラ油は、「キャノーラ種」という品種の菜種を原料とした油の名称です。つまり、サラダ油の規格を満たした菜種油の一種と言えます。 もともとの菜種(アブラナ)には、エルカ酸やグルコシノレートという人体に好ましくない成分が含まれていましたが、カナダで品種改良されて生まれたキャノーラ種はこれらの含有量が非常に少なく、安全で食用に適しています。名前の「キャノーラ」は、「Canadian Oil, Low Acid」(カナダ産、低エルカ酸)に由来します。
❓ 結局、どちらを使うべき?
· とにかく何にでも使いやすいオールラウンダーを求めたい方 → キャノーラ油 クセがなく、発煙点も高めで、揚げ物からドレッシング、お菓子作りまで万能に使えます。価格も手ごろなため、家庭の常用油として最も人気があります。
· 原料の風味を楽しみたい方、特定の料理に使いたい方 → 特定原料のサラダ油 例えば、ごまサラダ油なら中華炒めに香り付けに、ひまわりサラダ油なら軽い仕上がりの揚げ物に、米サラダ油ならまろやかで深みのある天ぷらに向いています。
· 特にこだわりがなく、安さを最優先する方 → 調合サラダ油 さまざまな原料を混合したサラダ油は、最もコストパフォーマンスに優れています。
💡 知っておくと便利なこと
· キャノーラ油も立派なサラダ油:キャノーラ油はJAS規格をクリアしているので、表示上は「キャノーラサラダ油」または「サラダ油(キャノーラ)」となります。
· 健康面の違い:キャノーラ油はオレイン酸を比較的多く含み、脂肪酸のバランスが良いとされています。ただし、油であることには変わりないので、使いすぎには注意が必要です。
· 高温調理にはキャノーラ油が向く:発煙点がやや高めに設定されていることが多いため、高温で炒めたり揚げたりする料理では、キャノーラ油の方が焦げ付きにくい傾向があります。
まとめると、「サラダ油」は低温で固まらない油の総称、「キャノーラ油」は特定の原料(キャノーラ種)から作られたサラダ油の一種です。どちらもクセのないオールラウンダーですが、キャノーラ油はより現代の食生活に合わせて品種改良された、使い勝手の良い油と言えるでしょう。