恋愛詐欺師が騙された
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心の奥

彼女は素直に話をしてくれていた。
自分のことを綺麗な言葉で。

打ち解けたかと思ったけど、心の奥までは見えなかった。

会って間もないからかな…

そうじゃなかったね。
やっぱり他人は怖いかい?

彼女の告白

「お酒に弱いんです
自分を忘れる感覚は好きなんですけどね」

「みんなそうじゃないかな?
弱いこと認めたくて飲むことあるし」

「私の弱さってどうしたらいいんでしょうかね?」

彼女は微笑んだ。

「認めてくれる人がいればいいんじゃない?」

「あなたが認めてくれますか?」

ワインの味も香りも飛んでいった。
彼女の言葉が微笑みが、僕の脳を酔わせていく。

「そんな……」

彼女の目はずっと見つめてきてる。
答え方を探るだけ。
見透かされてるんだね。

告白

「今も切ってるの?」

「ときどき」

「そうか。いつか止められるといいね」

彼女のグラスにワインを注ぐ。

「オレは切ったことはないけど、
自分の体を痛めつけたことがある」

「当時は弱さなんて知らなかった。
強くなれないから痛めつけた。
弱いことが怖かったんだ」

彼女は頷いて話を聞いてくれている。

プレゼント

お祝いをどうしよう?

まだ一度しか会ったことないし、
趣味もわからない。

まあ食事ぐらいでと待ち合わせ場所へ。


「飲んでもいいですか?」

「もちろん!
 お祝いだからワインでも飲む?」

「二十歳の誕生日なんですよー
 だから飲みたくて」

ワインで乾杯しながらたわいもない話が続く。


「私、鬱病なんです」

「そうなんだ」

「驚かないんですか?」

「驚かないよ。
 オレも病んでた時期あるし」

「じゃあこれ見てください」

彼女の左腕には無数の傷があった。

誕生日

彼女の誕生日前日にメールをしてみた。

おめでとうを伝えたかっただけ。

「お祝いしてくれるんですよね?」

「いいよ。
約束したしね。
いつが都合いい?」

「明日してもらえますか?」

「当日だよ?
オレはかまわないけど」


彼女の誕生日をお祝いすることになった。

出会い

仲間との酒の席に彼女はいた。

大きな瞳がコロコロしている。

「みちさんて訳ありな恋愛が好きって聞きました」

「そんなこと……」

来週が誕生日だという彼女。
お祝いすると社交辞令を言いながら、その日は解散した。

あれから

もう2人は出会うことはなくなりました。


彼女と一切の連絡が取れなくなったためです。



あれから3年の月日が流れました。



新しい恋をしました。


恋愛に障害は付き物なのかもしれませんが、

今度は、場所よりも遠く離れた心の遠距離がはじまります。

終焉

もう戻れない。

今までの思い出がよぎる。


「もう私を好きにならないでください。

連絡もしてこないで。

きっとこれがお互いにとって

一番幸せなことだと思うから」

寂しいけど、ツライけど、

オレの存在が彼女の心に負担となっている。


泣いた。

涙が枯れることはない。


恋は終わった。


ありがとう。


さようなら。

入院

「私近く入院するからよろしくね」

驚きはしたけど、
やっぱり早く治して欲しいので、
「お見舞いにいくね」
とだけメールしました。

そして病名を再度確認したところ、
「貧血の珍しい症状みたい。
 白血病ではないかも」

少し安心しました。

今回の入院は検査と治療の両方の意味があり、
ベッドが空き次第入院するとのこと。

すごくすごく心配だけど、
治ることを信じるだけだ。

なんとか

納得はしてないみたいだけど、
今まで通りやっていこうという話をした。

彼女は宝物。
ここまで愛した女性はいないし、
もうこれからも現れないだろう。

「こんなウザい宝物なんてあるわけない」

こんな言葉が返ってくる。

でもね、君のこと大好きなんだよ。
愛しいんだよ。
そばにいたんだよ。

距離はある。
でも、だからこそできるなにかがある。

「抱っこー」

やっぱりこういうメールがくると嬉しい。
いくらでも抱きしめるからね。
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